在宅勤務、手当で後押し=働く環境整備支援、待遇格差の懸念も―新型コロナ

経済・ビジネス

新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務の浸透を受け、家庭の光熱費や通信費を補う手当を支給する企業が増えている。電車やバスの通勤定期代を乗った分の実費精算に変更する代わりに、テレワークの環境整備を支援し定着を狙う。ただ、在宅勤務の可否は職種によって異なり、待遇面で格差が生じる懸念もある。

レンタルオフィス事業を手掛けるWOOC(東京)は6月、テレワークに関するアンケート調査を実施した。在宅勤務を行った451人が挙げた「困ったこと」(複数回答)は、「作業に適したデスク、いすが無い」(41%)「インターネット環境が整っていない」(20%)などオフィスとの違いに不便を感じている声が多かった。

こうした現状を踏まえ、ホンダは10月から在宅勤務1日につき250円を支給する方針。キリンホールディングス(HD)は10月から週3日以上の在宅勤務で月3000円を支給する。アルバイトなども含めた約4000人が対象で、広報担当者は「働きやすい環境の整備に役立て、生産性を高めてほしい」と語る。

富士通やソフトバンクも同様の手当を導入した。コールセンターを在宅勤務に切り替えたスイス系のチューリッヒ保険は机やパソコン関連機材などの購入費用を補助した。

しかし、製造現場など在宅勤務が難しい職場もある。例えば、ホンダは管理者らを除く工場従業員を在宅勤務手当の対象外とする考え。キリンHDは工場や研究所などの従業員は対象としない。

みずほ総合研究所の試算によると、在宅勤務が可能な国内就業者は3割程度にとどまる。在宅勤務をできるかどうかで受け取る手当の額が異なるため、小寺信也主任エコノミストは「職種によって待遇に差が出る可能性がある」と指摘。「在宅勤務を広げるための業務の見直しなど工夫が必要だ」と話している。

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