震災で考案、5年備蓄ゼリー=「避難者食べやすく長持ち」―宮城の企業、導入広がる

社会

東日本大震災の経験や被災者の声を基に、新たな防災備蓄食として5年半保存できるゼリーが生まれた。避難所で子どもや高齢者らに提供するため導入する自治体も増えており、近年多発する豪雨災害でも活用が期待される。

宮城県多賀城市の「ワンテーブル」が開発したゼリータイプの備蓄食「LIFE STOCK(ライフストック)」。水分と糖分が取れ、調理せずに食べられる。食物繊維入りのアップル&キャロット味は避難生活中の栄養バランスを整える。洋ナシ、グレープ味は1個約200キロカロリーで、体力消耗時のエネルギー補給用だ。

被災した島田昌幸社長(37)が、高齢者には食べにくい乾パンや炭水化物に偏る避難所の備蓄食に疑問を感じ、開発に着手。他社と協力した特殊な包装技術などで、常温で5年半保存できるゼリーを生み出した。担当者の下山志帆さん(36)は「避難直後の疲れ果てた状態ですぐに食べられる点を重視した。他の備蓄食と組み合わせて活用してほしい」と提案する。

2019年9月に販売を始め、東北や九州などの20自治体や企業、医療施設への販売実績がある。個人の購入も増えているという。山形県酒田市は今年8月、調理に水が必要なアルファ米の一部を約1900個のライフストックと入れ替えた。危機管理課の担当者は「断水時も対応できるように」と説明。福島県国見町も「カロリーや栄養が取れ、子どもや高齢者でも食べやすい」(企画情報課担当者)と導入を決めた。

多発する水害で備蓄食を保管する段ボールが浸水することも想定し、同社は4個を1セットとしてビニール包装し水濡れを防ぐ工夫も始めた。下山さんは「新しい災害からも学んで、商品を改善していきたい」と話している。

宮城県多賀城市の企業が開発したゼリータイプの防災備蓄食「ライフストック」宮城県多賀城市の企業が開発したゼリータイプの防災備蓄食「ライフストック」

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