安保法5年、米軍防護着々=進む一体化、中国にらみ

政治・外交

集団的自衛権行使を一部容認する安全保障関連法が成立して19日で5年。この間、日本周辺で自衛隊が米軍艦艇・航空機を防護する活動件数は増加し、日米の軍事面での一体化は進んだ。中国が東・南シナ海への進出を図る中、菅政権も安倍政権に引き続き、米国と双務的な関係を平時から構築することで対抗する考えだ。

「日米同盟はかつてないほど強固となり、抑止力、対処力も向上している。国際社会の平和と安定に対する積極的な貢献もできるようになった」。加藤勝信官房長官は18日の記者会見で、安保法成立の意義を改めて強調した。

防衛省によると、安保関連法に基づいて行われる米軍防護は2017年に2回、18年は16回、19年は14回と着実に増加。昨年からは、災害やテロを想定した在外邦人保護事案での駆け付け警護をはじめとする多国間の共同訓練も実施している。

いずれも日本の存立を脅かす明白な危険のある「存立危機事態」などではなく平時の活動だが、関係者は「日米の共同対処能力は高まっている」と話す。防衛省幹部は中国を念頭に「助け合う同盟は絆を強くする。平素から日米間で協力できるようになれば抑止力が上がり、『力による現状変更』を思いとどまらせやすくなる」と語る。

一方、米中の覇権争いが激化する中、自衛隊と米軍の軍事的な一体化が進めば、米中の紛争に日本が巻き込まれかねないとの懸念を指摘する声もある。

共産党の田村智子政策委員長は18日の会見で「米軍が攻撃を受けた時に自衛隊が一緒に武力行使を可能にするために安保法制が作られた」と指摘。菅政権との初の論戦となる見通しの次期臨時国会を念頭に「安保法制そのものの違憲性も議論したい」と語った。

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