自民に解散待望論=菅内閣の高支持率で

政治・外交

自民党内から早期の衆院解散・総選挙を期待する声が出ている。報道各社の世論調査で、菅内閣の支持率が軒並み高水準を記録する一方、立憲民主党など野党の支持率は低迷しているためだ。残り1年余りの衆院議員の任期中、解散のタイミングは限られる。菅義偉首相は就任早々、大きな政治決断に直面している。

「(自分が選対委員長だったら)自民党国会議員のほぼ総意、即解散」。下村博文政調会長は21日のBSフジ番組でこう強調。同時に「年内にあってもおかしくないし、一通り実績が出てからというと来年以降もあると思う」とも語った。

報道各社が先に実施した世論調査は、菅内閣の支持率が60~70%台となり、いずれも第2次安倍内閣の発足時を上回った。首相が非世襲のたたき上げであることに加え、国民に身近な携帯電話料金の引き下げや不妊治療の保険適用などを、看板政策に掲げたことが好感されたとみられる。一方、立憲の支持率には野党合流の浮揚効果がほとんど見られない。

これを受け、自民党内には解散待望論がじわりと広がっている。若手議員は「すぐに解散すべきだ。ご祝儀相場の今がいい」と強調。閣僚経験者は「10月召集の臨時国会で代表質問を受け、その後に解散だ」との見方を示した。

早期の衆院選に慎重な公明党からも「こんなに支持率が高ければ、首相は早く解散を打ちたくなるだろう」(幹部)との声が漏れる。

首相が初の所信表明演説を行う臨時国会は、10月23日か26日に召集される見通し。政府・与党は、日英両国の新貿易協定案の承認や、新型コロナウイルスのワクチンに副作用が生じた場合に国が補償する法案の成立などを目指すが、早期解散なら「いずれの処理も年内には間に合わない」(自民党幹部)。就任直後に政策より選挙を優先すれば、世論の反発を招く可能性もある。

首相自身は「働く内閣」を掲げ、現時点で早期解散には慎重な姿勢を示している。周辺によると、首相は今回の支持率について「高過ぎる」と指摘。「解散風」の強まりを警戒しているという。

衆院議員の任期は来年10月まで。年内解散を見送った場合、来年1月召集の通常国会冒頭か、来年度予算成立後の同4月が、次のタイミングとなる。それ以降は、来夏の東京都議選と東京五輪が終わるまで解散は打ちづらく、事実上の任期満了選挙を強いられることになる。

首相には、党選対副委員長だった2008年、就任直後の解散に傾いた当時の麻生太郎首相を押しとどめ、結果的に任期切れ間際の衆院選で政権を失った苦い経験がある。このため、新型コロナの感染状況などをにらみつつ、解散時期を慎重に判断する構えだ。

官邸に入る菅義偉首相=23日午前、東京・永田町官邸に入る菅義偉首相=23日午前、東京・永田町

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