「辺野古」阻めず苦悩=沖縄知事就任2年、基盤に揺らぎ

政治・外交

沖縄県の玉城デニー知事が就任して4日で2年。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の阻止に全力を挙げてきたが、埋め立て海域への土砂投入は進み、目に見える成果は出ていない。保守、革新両勢力が団結した支持基盤の「オール沖縄」には揺らぎが見え、求心力の維持へ正念場を迎えている。

玉城氏は2018年、急逝した当時の翁長雄志知事の後継として白羽の矢が立ち、知事選に初当選。安倍政権との全面対決も辞さなかった翁長氏の遺志を基本線で受け継ぎつつも「対話による解決」を掲げ、政府に働き掛けてきた。

しかし、政府は協議の場の設置に応じず、玉城氏の意向は事実上無視されてきた形。18年末に土砂の投入が始まった区画の一つで9月30日に埋め立てが完了した。中立会派の県議は「2年間、知事は何もやっていない」と厳しい評価を下す。

こうした中、9月には県内で大きな政治的影響力を持つ企業経営者の後援会長が辞任を表明した。これに先立ち県議会で知事を支える与党内でも、中道保守系の会派が知事に「是々非々」で臨む方針を鮮明にした。この会派の県議は「今のオール沖縄ではわれわれが排除され、昔の革新共闘と同じになっている」と不信感を隠さず、「もはや『オール沖縄』ではない」と断じた。

玉城氏は今月2日、就任2年を前に行った記者会見で、普天間飛行場の一日も早い危険性除去などがオール沖縄の「原点だ」と指摘。「ぶれることはない」と明言し、支持層に結束を呼び掛けた。

ただ、菅義偉首相は安倍政権の官房長官時代、辺野古強硬路線の中心を担った。日米合意の着実な履行を図る姿勢は今後も変わらない見通しだ。

移設阻止に全国的な理解を求めるため19年6月から各主要都市で行ってきた県主催のシンポジウムは、新型コロナウイルス感染により中断を余儀なくされた。「再選できるかどうかは、残り2年の任期中にどんな結果を示せるかに懸かっている」。手詰まり感も漂う中、知事周辺はこう語る。

米軍普天間飛行場の移設に向け、埋め立て工事が進む辺野古沿岸部=6月25日、沖縄県名護市米軍普天間飛行場の移設に向け、埋め立て工事が進む辺野古沿岸部=6月25日、沖縄県名護市

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