元会長、官邸関与を証言=学術会議人事、16年以降

政治・外交

日本学術会議元会長の大西隆氏(72)は9日、立憲民主党などの野党合同ヒアリングに出席し、菅義偉首相が会員候補の任命を拒否した問題に関連し、安倍政権下の2016年補充人事の際も首相官邸から人事案に難色を示されたと証言した。17年の定期人事では改選される105人より多い人数で事前説明に及んだと明らかにした。

学術会議を所管する内閣府は18年11月、内閣法制局に日本学術会議法の解釈を照会した上で「首相は学術会議の推薦通りに会員を任命すべき義務があるとまでは言えない」との見解をまとめた。大西氏の証言は、官邸がそれ以前から学術会議の人事に関与していたことを示すものだ。

大西氏は11年10月から17年9月まで会長を務めた。9日の会合には広渡清吾元会長も出席した。

会合で、大西氏は「16年の補充人事の時は(官邸から)途中経過を説明してくれと言われた」と明言。具体的には「(空席の)三つのポストについて、それぞれ二人ずつ優先順位を付けた説明を出した。(官邸側は)二つのポストについて(優先順位が)1番の方ではなく2番の方がいいのではないかと難色を示した」と語った。

大西氏によると、学術会議側が官邸にその理由の説明を求めたものの、「明かされなかった」という。このため学術会議は補充人事を断念した。

17年人事の際に改選数より多い人数で説明したことに関しては「選考プロセスを任命する側に理解してもらうことは必要だ。ただ、官邸の意向で選考が変わることはあってはいけない」と強調。結果的に学術会議が推薦した105人がそのまま任命されたと話した。

今回の任命拒否については「選考基準と違う基準を適用して任命拒否したとなれば法律違反になる」と批判した。

学術会議任命拒否問題で野党合同ヒアリングに臨む日本学術会議元会長の大西隆氏(左)と広渡清吾氏=9日午前、国会内学術会議任命拒否問題で野党合同ヒアリングに臨む日本学術会議元会長の大西隆氏(左)と広渡清吾氏=9日午前、国会内

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