ボーナス、退職金認めず=格差「不合理でない」―非正規訴訟判決・最高裁

社会

正社員と非正規社員の待遇格差をめぐり、ボーナスや退職金支給の是非が争われた2件の訴訟の判決が13日、最高裁第3小法廷であった。同小法廷は一部支払いを命じた二審判決を変更し、いずれも支給を認めない判断をした。

「同一労働同一賃金」を定めた働き方改革関連法が4月に一部で施行されて以降、初の最高裁判決。企業などの給与制度の在り方に一定の影響を与えそうだ。

同小法廷は、今回のケースではボーナスと退職金ともに「不支給は不合理とまでは言えない」と述べる一方、「不合理と認められる場合はある」とし、別のケースでは判断が異なることがあり得るとも強調した。

ボーナス支給が争われたのは、大阪医科薬科大で約2年間フルタイムで勤務した元アルバイト職員の女性が起こした訴訟。女性は、不支給は労働契約法20条が禁止する「不合理な格差だ」と訴えていた。

判決で同小法廷(宮崎裕子裁判長)は、同大のボーナスは「正職員の職務を遂行し得る人材確保の目的があった」と指摘。似た業務をしていた正職員と女性を比較しても内容に違いがあるほか、女性の業務は「相当に軽易だった」とも述べ、請求を退けた。5人の裁判官全員一致の意見。

大阪高裁は不支給を不合理な格差と認め、正職員の6割の支払いを命じていた。

退職金支給が争われた、東京メトロ子会社メトロコマースの駅売店で約10年間働いた元契約社員の女性2人が起こした訴訟では、同小法廷(林景一裁判長)は売店業務に従事した正社員と2人を比較。業務内容はおおむね共通するが、正社員は配置転換があるなど一定の相違があるとし、「不支給は不合理とまでは評価できない」と結論付けた。

宇賀克也裁判官は反対意見で「契約社員が正社員より長期間勤務することもある。功労報償の性質は契約社員にも当てはまる」と述べ、正社員の4分の1の支払いを認めた二審東京高裁判決の破棄には至らないとした。

大阪医科薬科大の非正規格差をめぐる訴訟で「不当判決」の垂れ幕を掲げる原告弁護団(写真上)と、メトロコマース契約社員の非正規格差をめぐる訴訟の判決を受け「不当判決」の垂れ幕を掲げる原告ら(同下)=13日午後、東京都千代田区の最高裁前大阪医科薬科大の非正規格差をめぐる訴訟で「不当判決」の垂れ幕を掲げる原告弁護団(写真上)と、メトロコマース契約社員の非正規格差をめぐる訴訟の判決を受け「不当判決」の垂れ幕を掲げる原告ら(同下)=13日午後、東京都千代田区の最高裁前

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 裁判 社会 日本