電気料に原発賠償金上乗せ「違法」=生協の小売り事業者が国提訴―福岡

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東京電力福島第1原発事故に伴う賠償金や廃炉費用などを一般家庭の電気料金に上乗せし徴収することを国が認可したのは違法として、15の生協などでつくる「グリーンコープ共同体」(本部福岡市)が設立した小売り電気事業者「グリーンコープでんき」は15日、九州電力の子会社「九州電力送配電」に対する認可の取り消しを求め、福岡地裁に提訴した。原告によると、同種訴訟の提訴は全国で初めて。

訴状などによると、小売り電気事業者は電力供給する際、電力会社に電線使用料(託送料金)を支払う必要がある。国は、原発事故の賠償金などを託送料金に上乗せするため、2017年9月に経済産業省令を改正し、今年7月に施行された。九電送配電などの事業者は9月に国の認可を受け、10月から原発事故の賠償金や廃炉費用を国民の電気料金で負担する仕組みが始まった。

グリーンコープ側は託送料金について、電気事業法が「適正な原価に適正な利潤を加えたもの」と定めていることを踏まえ、原発事故の賠償金などを電気料金に上乗せできる省令改正は「電気事業法の委任の範囲を超え、(国会の立法権を定めた)憲法41条にも反し無効だ」と訴えている。

記者会見したグリーンコープでんきの熊野千恵美代表理事は、上乗せを認めた省令改正について「多くの国民が知らない中で徴収されるのはおかしい」と批判。訴訟を通じ「多くの人が考えるきっかけになってほしい」と述べた。

原発賠償金などの電気料金への上乗せ徴収をめぐり、提訴のため福岡地裁に向かう原告ら=15日午後、福岡市原発賠償金などの電気料金への上乗せ徴収をめぐり、提訴のため福岡地裁に向かう原告ら=15日午後、福岡市

記者会見で訴訟について説明するグリーンコープでんきの熊野千恵美代表理事(左)=15日午後、福岡市記者会見で訴訟について説明するグリーンコープでんきの熊野千恵美代表理事(左)=15日午後、福岡市

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