扶養手当など支給認める=格差は「不合理」―日本郵便の非正規訴訟・最高裁

社会

正社員と非正規社員の待遇格差をめぐり、日本郵便が契約社員に扶養手当などを支給しないことの是非が争われた3件の訴訟の判決が15日、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)であり、同小法廷は「労働条件の相違は不合理」として扶養手当支給を認める判断をした。原告らの全面勝訴となった。

有給の夏季・冬季休暇、年末年始勤務手当などについても格差は「不合理」と認めた。いずれも裁判官5人全員一致の意見。

同小法廷は扶養手当について、原告ら契約社員にも「扶養親族があり、相応に継続的な勤務が見込まれれば、手当の趣旨は妥当」と指摘。判決は個別の事例判断だが、扶養手当は多くの企業で採用されており、各企業にも影響を与えそうだ。

3件の訴訟は、同社の郵便業務に従事する契約社員ら12人が東京、大阪、佐賀各地裁に提訴。扶養手当などがないのは労働契約法20条が禁止する「不合理な格差」に当たると訴えていた。

扶養手当を求めたのは大阪訴訟の原告ら。同小法廷は「手当支給は、継続的な雇用を確保するためだ。原告らは契約更新を繰り返し、相応に継続的な勤務が見込まれる」と述べ、支給を認めなかった大阪高裁判決を一部破棄し、損害額算定のため同高裁に差し戻した。

夏季・冬季休暇は、3件とも高裁段階で不合理な格差とされたが、損害賠償を認めるかで各高裁の判断が割れ、同小法廷は賠償を認めた。年末年始勤務手当は東京と大阪訴訟で争われ、各高裁で支給が認められたが、大阪高裁は「契約期間が通算5年を超える者」と限定。同小法廷は大阪高裁の判断を破棄した。

非正規労働者の格差をめぐっては、大阪医科薬科大と東京メトロ子会社に勤務した非正規社員らが起こした訴訟の最高裁判決が13日にあり、第3小法廷はボーナスと退職金不支給について正社員らとの職務内容の違いを重視。いずれも「不合理とまでは言えない」と判断していた。

◇適切に取り組む

日本郵便の話 問題の重要性に鑑み、速やかに労使交渉を進め、必要な制度改正について適切に取り組みたい。

日本郵便非正規格差をめぐる訴訟で「勝訴」の垂れ幕を掲げる原告団=15日午後、東京都千代田区日本郵便非正規格差をめぐる訴訟で「勝訴」の垂れ幕を掲げる原告団=15日午後、東京都千代田区

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