原発処理水、海洋放出へ=政府、福島第1の廃炉優先―風評対策、検討加速

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政府が東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、薄めて海に放出する方針を固めたことが16日、分かった。今月中にも決定し、廃炉作業を加速するため2022年秋ごろからの放出を目指す。政府は安全性に問題はないと説明するが、風評被害を懸念する漁業者らは強く反対しており、対策の検討を急ぐ。

福島第1原発では、原子炉建屋に地下水や雨水が流れ込み、高濃度の放射性物質に汚染された水が大量に発生。東電はトリチウム以外の大半の放射性物質を取り除いて処理水としてタンクに入れて保管している。東電によると、タンクは22年秋ごろに満杯になり、このまま増え続ければ廃炉作業に支障が出かねない。

処分方法について、政府は有識者会議の報告書などを受け、「海洋放出」を軸に検討してきた。海洋放出には設備などの準備に2年程度かかるとされ、決断のために残された時間は限られる。梶山弘志経済産業相は16日の記者会見で「廃炉を遅延させないため早期に決定する必要がある」と強調。政府は今月下旬に「廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議」(議長・加藤勝信官房長官)を開き、方針を決定する方向で調整している。

海洋放出する場合、タンク内の処理水について再度放射性物質を除去し、トリチウム以外の放射性物質の濃度を海に流してもよい数値まで下げる。その上でトリチウムの濃度も下げるため海水で薄め、数十年かけて少しずつ放出する計画だ。

東京電力福島第1原発から出る処理水の処分方法などについて記者会見する梶山弘志経済産業相=16日午前、東京・霞が関東京電力福島第1原発から出る処理水の処分方法などについて記者会見する梶山弘志経済産業相=16日午前、東京・霞が関

東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水の貯蔵タンク群=2018年2月、福島県大熊町東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水の貯蔵タンク群=2018年2月、福島県大熊町

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