解散、菅首相に三つの選択肢=「年内」見送りの公算

政治・外交

衆院議員の任期はあと1年。菅義偉首相がどのタイミングで解散・総選挙に踏み切るのか、与野党が目を凝らす。菅政権の発足当初、高支持率を背景に自民党内で期待があった年内解散は見送られる公算が大きくなった。首相の選択肢は来年1月召集の通常国会冒頭、2021年度予算成立後の3月末から7月の東京五輪開幕まで、9月のパラリンピック閉幕以降の3通りとなりそうだ。

「衆院解散は首相の一存だ。任期があと1年となればいよいよだ。われわれはいつでもそれに対処する心の準備はできている」。自民党の二階俊博幹事長は20日の記者会見でこう語った。

自民党では、菅内閣が発足直後、報道各社の世論調査で7割前後の支持率を得たことで年内解散への期待が高まった。しかし、首相が新型コロナウイルス対策と経済再生の両立を打ち出し、携帯電話の料金引き下げなど国民生活に身近な政策を重要課題に掲げて矢継ぎ早に取り組みを具体化させると、年内の観測は後退。首相に近い党幹部は「年内はもうない」と言い切った。

年明け以降では、新型コロナの感染状況にもよるが、通常国会冒頭が最初のタイミングとなる。政府・与党は、追加経済対策を盛り込んだ20年度第3次補正予算案を年内に編成、通常国会冒頭で処理する方針。仮に3次補正の審議入り前に解散すれば批判を招く恐れはあるが、手厚いメニューを掲げて実現を訴える戦術は可能だ。

別の党幹部は「通常国会の召集日がポイントだ」と指摘する。16年のように年明け早々の4日に召集、速やかに解散すれば、投開票を経て2月23日の天皇誕生日前には第2次菅内閣を発足させられるとの見通しを示した。日本学術会議問題への世論の批判や首相の答弁能力への不安から、党内では国会審議を長引かせず、早期に解散すべきだとの声が根強い。

公明党関係者も支持母体の創価学会の動向に関し、「1月解散も念頭にあるようだ」と明かした。学会は首相と太いパイプを持つ。

次の選択肢は、3月末から東京五輪が開幕する7月23日までの期間だ。21年度予算を成立させ、携帯料金の引き下げに道筋を付けて、「成果」としてアピールする。公明党が国政選挙並みに注力する東京都議選(7月22日任期満了)と時期が重なる可能性もあるが、自民党内には「都議選と同日選もあり得る」(関係者)との見方がある。

ここを逃すと、パラリンピックが閉幕する9月5日以降となる。党総裁任期切れを同月末に迎える首相は、衆院選を勝利に導いて総裁選を無投票に持ち込むか、党員投票を伴う総裁選で有権者の関心を高め、再選を果たした勢いで衆院選を乗り切るか、いずれかを目指すことになりそうだ。ただ、政権が逆風に見舞われていても他に選択肢のない「追い込まれ解散」となる危険もある。

首相は13日、自身に近い無派閥の若手グループと会食。出席者は解散時期に関心を示したが、首相は「常在戦場だ」と語っただけで、言質を与えなかった。

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