首相の任命拒否「想定せず」=学術会議人事、04年文書に明記

政治・外交

日本学術会議の会員任命をめぐり、現行の推薦方法に変わった2004年に、政府が「首相が任命を拒否することは想定されていない」との文書を作成していたことが27日、分かった。菅義偉首相は、学術会議が推薦した会員候補6人の任命拒否について、推薦方法の変更に言及しつつ正当性を主張しており、整合性が問われそうだ。

文書は、総務省による「日本学術会議法の一部を改正する法律案(説明資料)」で、04年1月26日付。立憲民主党の小西洋之参院議員が入手した。

同年の法改正で、学術会議の会員選出方法は、学術研究団体による推薦制から、会員による推薦制に変更された。所管も総務省から内閣府に移った。

政府は1983年に国会で、首相による任命について「形式的」と答弁。しかし、内閣府は18年に「首相に推薦通りに会員を任命すべき義務があるとまでは言えない」との見解をまとめた。

これを踏まえ、菅首相は「推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲して良いのか」と強調。83年の国会答弁との矛盾について、推薦方法が変わったことに触れ、「それぞれの時代の制度の中で、法律に基づいて任命する考え方は変わっていない」と述べ、任命拒否は法令上問題ないと説明してきた。

ただ、総務省の文書は「学術会議から推薦された会員の候補者につき、首相が任命を拒否することは想定されていない」と明記。現行の推薦方法を導入した04年の時点でも、83年の国会答弁を踏襲していたことが明らかになった。

これに関し、加藤勝信官房長官は27日の記者会見で「首相が推薦の通り任命しないことが法的に許容されないということを述べたものではない」と説明。「将来において任命に至らない者が生じる可能性を排除するものではない」とも語った。

記者会見する加藤勝信官房長官=27日午前、首相官邸記者会見する加藤勝信官房長官=27日午前、首相官邸

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 政府・内閣 行政改革 日本