大都市論議、停滞を懸念=二重行政の課題残る―大阪都構想

政治・外交

初の政令市廃止を目指した「大阪都構想」の住民投票は反対多数となった。住民の賛意は得られなかったが、道府県と政令市で権限が重なる二重行政など大都市制度の課題は残ったままだ。一方で政令市の在り方を問う機運は全国的には盛り上がりに欠けており、議論の停滞も懸念される。

政令市は1956年の地方自治法改正により横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の5市でスタート。現在は20市に増えている。47年の同法施行時には、道府県から独立する形で地方の全ての事務を担う「特別市」が創設されたが、道府県側が反発。一度も実現しないまま廃止され、これに代わり政令市制度が導入された経緯がある。政令市は道府県並みの権限を持つが道府県の下に位置するため、「妥協の産物」とやゆする声もある。

二重行政や住民の声が届きにくいなど政令市の問題を解決しようと、都構想に呼応して各地で独自構想が生まれたが、動きが止まっている地域も多い。全国の政令市でつくる指定都市市長会は、道府県から独立する「特別自治市」制度の創設を求めるが、実現への法整備にはつながっていない。国は2016年、政令市の中の行政区の権限を強めた「総合区」制度をつくったものの、導入事例はゼロだ。

大都市制度改革の機運が盛り上がりにくい要因について、総務省幹部は「市民生活が変わるというインセンティブを感じにくい。変化することへの抵抗感の方が大きいのではないか」と分析。早稲田大大学院教授で元総務相の片山善博氏は「住民の視点が抜けており(道府県と政令市の)権力争いで終わっている」と背景を語る。

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