「都構想」否決、公明複雑=衆院選へ安堵と懸念

政治・外交

住民投票での「大阪都構想」否決を受け、公明党内には安堵(あんど)と懸念が交錯している。日本維新の会から取り組みを「評価」され、衆院選の選挙区でのすみ分けが維持される見通しとなる一方、対応が分かれた自民党大阪府連との選挙協力には悪影響が避けられそうにないためだ。

「公明党には支持者の説得に汗をかいてもらった。非常に信頼関係が深まった。感謝している」。維新代表の松井一郎大阪市長は1日深夜に始まった記者会見で、こう公明に謝意を示した。衆院選での対抗馬擁立の可能性を記者団から問われても「ない」と否定。会見での表向きの発言とはいえ、不安を解消するには十分だった。

2015年の前回の住民投票で都構想に反対した公明党は今回、自民とたもとを分かつ形で賛成に転じた。維新が昨年4月の大阪府知事・市長ダブル選を制した勢いに乗り、都構想に協力しなければ、公明現職がいる府内の衆院4選挙区に対抗馬を立てると圧力をかけてきたからだ。

告示後、山口那津男代表が自ら大阪入りする異例の対応を決めたのも、「本気で取り組む姿勢を見せなければ、維新に責められかねない」(党関係者)と危惧したためだ。否決された理由の一つとして、山口氏らの訴えが「維新アレルギー」の強い公明支持層に浸透しなかったとも伝えられたが、松井氏の会見を注視していた党関係者は「すみ分け維持という最大の目標は達成できた」と胸をなで下ろした。

一方、公明が懸念するのが、都構想に反対してきた自民府連との選挙協力だ。公明ベテランは「府連は裏切られたという心情が拭えないだろう」と、自民との間にできたしこりを気に掛ける。実際、自民の大阪選出衆院議員から公明サイドへ「対抗馬擁立もあり得る」との声も伝わってきた。

ただ、自民としても公明の協力がなければ当選が危うい選挙区が少なくなく、府連内には、こうした声をいさめる向きもある。そうした事情も知ってか公明幹部は「今回は維新か自民かを取るしかなかった。仕方ない」と語った。

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