シェア企業、「密回避」に活路=身軽さ武器に事業転換

経済・ビジネス

買うのではなく、物や場所などを貸し借りして利用する「シェアリングエコノミー」の企業が、事業転換を急いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大でいったんは打撃を受けたが、「密回避」に活路を見いだした。人や設備が少ない身軽さを武器に柔軟な経営で生き残りを図る。

接触することがリスクと捉えられ、特にダメージを受けたのが「場所」のシェアだ。

米民泊仲介大手エアビーアンドビーは日本国内で訪日客の利用が多く、今年夏の東京五輪・パラリンピックに照準を合わせていた。ところが新型コロナで訪日客需要はほぼ全滅し、一気に苦境に陥った。

会議室などのシェアを仲介するスペースマーケットもイベントやパーティーでの需要が激減。物件の総取扱高は、緊急事態宣言中の4~6月期に過去最高だった昨年10~12月期と比べ7割減った。

シェア物件のオーナーらは部屋を宿泊用からテレワーク用に改装したり、都市部からやや離れた一軒家型の物件を長期滞在用に転換したりした。両社は「密回避」に向いた部屋を探しやすいサイトにしたほか、物件の消毒など感染対策も徹底。この結果、エアビーは緊急事態宣言明けの6月第2週の国内客利用が前年同期比78%増、今年9月のスペースマーケットの物件利用回数は前年同月を上回った。

ビジネスや趣味の知識・技能を分かち合うスキルシェアのサービスも、対面型からオンライン型へと一気に切り替えが進んだ。「教えたい人」と「学びたい人」をつないで、講座事業を運営するストリートアカデミー(東京)もその一つだ。

1月には対面型講座が95%を占めていたが、感染拡大後の4、5月は逆に95%がオンライン型に。5月には受講件数がコロナ前の水準を超えた。

業界団体シェアリングエコノミー協会の重松大輔共同代表(スペースマーケット社長)は「非対面系は、オンラインサービスを生かして大きく業績を伸ばしたところもある」と話す。フリーマーケットアプリのメルカリやクラウドファンディングのマクアケは、コロナ下でも大きく成長した。

人や設備を多く抱えないシェア企業は変化に対応しやすい。重松氏は「デジタルファーストで、新しい技術やサービスをどんどん試していく若い企業が多い。社会がデジタルにシフトし、これまで変えられなかったものを一気に変えるチャンスだ」と話す。

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