医療逼迫「厳しさ年末まで」=28都道府県で病床使用率悪化―新型コロナ

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新型コロナウイルス感染者用の病床逼迫(ひっぱく)が一段と進み、一部地域では危機的状況に陥っている。厚生労働省の集計によると、2日時点の病床使用率は首都圏や関西圏を中心に18都道府県で25%以上となり、感染拡大が2番目に深刻な「ステージ3」(感染急増)の水準に達した。28都道府県で1週間前より悪化しており、専門家は「厳しい状況は年末まで続く」と指摘する。

厚労省によると、前回集計(11月25日時点)と比べ、栃木(39%)、群馬(43%)、岐阜(32%)、三重(50%)は10ポイント超悪化した。使用率が全国で最も高い兵庫(65%)は3ポイント改善したが、「非常事態」を宣言した大阪(56%)は1ポイント上昇。医療機関などで大規模クラスター(感染者集団)が発生し、病床逼迫が深刻な北海道は、5ポイント悪化の52%だった。

重症者は今月4日時点で過去最多の505人となり、1カ月前の約3倍に急増。重症者用病床の使用率は1週間前と比べ21道府県で上昇し、特に愛知(43%)は20ポイントも上がった。

重症者(2日時点)は30県では5人以下で、病床に余裕がある地域も多いとみられる。ただ、厚労省の専門家組織は3日夜、「重症者数は新規感染者の動きから遅れる傾向がある。感染者の増加傾向が鈍化しても重症者数の増加がしばらく続く」と指摘した。

病床使用率の計算には、すぐには使えない病床も含むため、病床逼迫は数字以上に深刻とされる。専門家組織に加わる日本医師会の釜萢敏常任理事は「新規感染者の発生が仮にピークを迎えても、医療提供体制が落ち着くのに1カ月以上はかかる」と強調。「厳しい状況が年末に向けて続く。医療資源を本当に必要なところにどう振り分けるかが課題だ」と話した。

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