迫る医療崩壊、現場悲鳴=「ベッド空かず」「看護師不足」―限界寸前・新型コロナ

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1日の感染者数が連日2000人を超え、猛威を振るう新型コロナウイルスの「第3波」。大阪では非常事態を示す「赤信号」が点灯されるなど、各地で医療崩壊の危機が叫ばれる。医療現場では、「常に満床だ」「看護師が足りない」と限界を訴える声が上がる。

「退院でベッドが空いてもすぐ次の患者が来る。いっぱいいっぱいだ」。主に軽症の感染者を診る東京都杉並区の河北総合病院では、30床あるコロナ患者用病床がほぼ満床の状態が続く。感染対策で病室を分けるため、実際は全体の2割に当たる76床分を割いており、設置数は限界。杉村洋一院長は「これ以上増えれば、入院を断らざるを得なくなる」と苦々しげに話した。

重症化した患者が移される拠点病院も切迫する。東京医科歯科大病院(文京区)では、入院の長期化で8床ある重症者用ベッドが空かず、受け入れに支障が出ている。内田信一院長は「本来2週間程度で病状が改善するが、高齢者が増え、なかなか良くならずベッドが回転しない」と話す。

重症者のケアには通常の集中治療室の約4倍の人手が必要。スタッフ数で逆算すると8床がぎりぎりだ。内田院長は「手を尽くしても良くならず亡くなる。この状態がいつ終わるかも分からず、ストレスは大きい。この体制がいつまで持つか」と悩みを打ち明けた。

感染者の高止まりが続く北海道では、一般患者への診察にも影響が出ている。クラスター(感染者集団)が発生した札幌市の病院では、感染した看護師らの離脱が相次ぎ、救急対応の制限や約2週間の外来診療休止を余儀なくされた。通院患者には原則、対面診察を行わず、薬の処方箋だけを渡している。コロナ病床も深刻で、担当者は「人繰りが厳しく、もう受け入れられない」と悲鳴を上げ、綱渡りが続く。

救急搬送も窮地に立つ。札幌市消防局では、感染者が増えた10~11月、病院3カ所以上から受け入れを断られた搬送患者が前年の倍以上の724人に上った。感染増などによるベッド不足に加え、院内感染のリスク回避で発熱者の受け入れを渋った病院もあったとみられる。9回以上も搬送拒否された患者も63人いたといい、担当者は「1分1秒を争う状況もあるのに」と危機感を募らせた。

血流などを良くするため、新型コロナウイルス感染症患者の姿勢を変える医師ら=東京都文京区の東京医科歯科大病院(同病院提供、一部画像処理しています)血流などを良くするため、新型コロナウイルス感染症患者の姿勢を変える医師ら=東京都文京区の東京医科歯科大病院(同病院提供、一部画像処理しています)

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