追加負担で対応苦慮=スポンサー契約延長交渉大詰め―東京五輪

経済・ビジネス

新型コロナウイルスの影響で来年に延期となった東京五輪・パラリンピックのスポンサー企業の契約期間が今月末で切れるのを受け、大会組織委員会とスポンサー契約の延長交渉が大詰めを迎えている。政府は五輪開催を「人類が新型コロナを克服した証し」にしたい意向で、経済界も「感染防止と経済活動の両立を大きなプロジェクトで仕上げる」(三村明夫日本商工会議所会頭)と実現を後押しする。ただ、コロナが企業業績に影響を及ぼす中、延長に伴う追加負担を求められる企業は、大会成功を望みつつも対応に苦慮している。

東京五輪のスポンサーは、東京大会後も続けるトヨタ自動車やブリヂストンなど「ワールドワイド」スポンサー14社と、NTTやキヤノンなど東京大会のみの国内スポンサー67社で構成する。

従来の予算計画では、国内スポンサー収入は組織委の総収入の55%を占める3480億円だった。大会延期に伴う追加費用として、組織委は4日、感染対策費用を含め約2940億円かかると発表。組織委が負担する1030億円のうち、約260億円を国内スポンサーの契約延長による追加協賛金で賄う方針だ。

スポンサー各社は条件を精査し、契約延長の可否を判断する。NECの新野隆社長は11月末の記者会見で「基本的に延長する方向で考えている」と表明。現時点でスポンサーから撤退する企業はない。ある企業の首脳は「いまさらスポンサーをやらないわけにもいかない。訪日外国人観光客を呼び戻す意味でも五輪は開催した方がいい」と追加負担を前向きに検討中だ。

ただ、コロナ収束の見通しが立たない中、どういう形での開催になるか依然不透明だ。企業からは「無観客開催の場合どこまで効果があるのか」と、負担に見合う広告宣伝効果が得られるのか心配する声が漏れる。コロナ下での追加出費となるため、他社の対応をにらみつつ「ギリギリまで悩む」「足並みがそろうのを待っている状況」といった企業も少なくない。

「(五輪に向けた)機運醸成のため大会の簡素化など国、東京都一丸となった対策に期待したい」(三井不動産)との要望も聞かれ、組織委などには企業の懸念を取り除くための丁寧な対応が求められそうだ。

オリンピックシンボルモニュメントと国立競技場(奥)=3月23日、東京都新宿区オリンピックシンボルモニュメントと国立競技場(奥)=3月23日、東京都新宿区

トヨタ自動車の五輪、パラリンピックスポンサーのロゴサイン=2019年2月、東京都文京区トヨタ自動車の五輪、パラリンピックスポンサーのロゴサイン=2019年2月、東京都文京区

スポンサー契約の調印を終え、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(右)と握手するブリヂストンの津谷正明最高経営責任者(CEO、当時)=2014年6月、東京都千代田区スポンサー契約の調印を終え、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(右)と握手するブリヂストンの津谷正明最高経営責任者(CEO、当時)=2014年6月、東京都千代田区

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