沖縄県、辺野古阻止「軟弱地盤」に望み=政府が土砂投入を始めてから14日で2年

政治・外交

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐり、政府が名護市辺野古沿岸部で土砂投入を始めてから14日で2年を迎える。県は工事を止めようと国を相手取った訴訟を起こしたが、相次いで敗訴。抵抗手段が狭まり、埋め立てが着々と進行する中、現場海域で見つかった軟弱地盤の存在に活路を見いだそうとしている。

沖縄県の玉城デニー知事は10日の記者会見で、これまでに投入された土砂量は全体の3.8%にとどまると指摘。「工事を止められないとか後戻りできない状況にあるとは全く考えていない」と強調した。

ただ、政府の立場からは「既成事実化」は進んでいる。現場に最初に土砂が投入された2018年12月以降、政府は水深の浅い辺野古崎南西側海域(約39ヘクタール)の埋め立てを先行実施。今年9月に約6ヘクタールの一角で埋め立てを完了させたほか、残る約33ヘクタールの区域でも必要量の約6割の土砂を投入した。加藤勝信官房長官は11日の記者会見で「工事は着実に進捗(しんちょく)している」と淡々と語った。

この間、県は埋め立て承認の撤回措置に関連し、勝訴すれば工事阻止につながる裁判を19年に相次いで起こしたが、先月までにいずれも敗れた。勝機の見えない戦略に、移設を容認する自民党県議は「裁判は県民の血税の無駄遣いだ」と批判する。

玉城知事が提起してきた日米両政府と県による三者協議は、両政府に相手にされていない状態。「辺野古反対」の世論を喚起するため知事自身が全国を行脚する計画も、コロナ禍で頓挫している。

打開策が見えない中、玉城知事が望みをつなぐのが辺野古崎東側海域の軟弱地盤の存在だ。政府が4月、海底の地盤を改良して固くする設計変更を申請したのに対し、県は内容を徹底的に検証し、不承認とすることも辞さない構え。県幹部は「国に数百は質問する」と明かしており、防衛省への回答は年明け以降になるとみられる。

とはいえ、こうした対応は「時間稼ぎ」の域を出ないとの見方も強い。知事周辺は「手駒がなくなってきているのは確かだ」と認め、「今は工事を遅らせて風向きが変わるのを待ちながら、有効な策を練るしかない」と焦りをにじませている。

米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事が進む辺野古沿岸部=11月9日、沖縄県名護市米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事が進む辺野古沿岸部=11月9日、沖縄県名護市

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