専門家「流行抑える最大好機」=「トラベル」全国一時停止―新型コロナ

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新型コロナウイルスの「第3波」が続く中、急きょ決まった国の肝煎り事業「Go To トラベル」の全国一斉の一時停止。専門家は「感染流行を抑える最大のチャンスだ」と指摘する。

東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は「年末休暇が始まる28日から1月11日の成人の日までの停止は、人の移動減には非常に効率的。経済活動も考えれば、企業などが仕事を休む年末年始を含むこの期間は流行を抑える最大のチャンスだ」と話した。「従来は一部地域への到着が停止対象で、メッセージが弱かった。全国一律なら国民に危機感が相当伝わる」と期待する。

浦島氏は「何もしなかったら、帰省や成人式出席で多くの人が『トラベル』を利用して移動するはず。その結果、冬場はもともと厳しい医療提供体制が各地で悪化しただろう」と分析。「一時停止は1カ月以上前に決定した方がよかったが、危機管理に100点満点はない。直近1、2週間の感染者増もあり、この時点での方針転換の判断はやむを得なかった」と国の姿勢に一定の理解を示した。

小黒一正法政大教授(公共経済学)は「データからは、トラベル事業が感染拡大に与えた影響がはっきりしていない。一時停止で安心するのは早計だ」と懸念する。

利用者にクーポンを配布する今の手法については、零細事業者ほど恩恵を受けにくく、直接給付の方が効果が大きいと指摘。「エビデンスに基づき政策決定をする土壌が失われている」と批判する。新型コロナで落ちた売り上げの補填(ほてん)を続けるには財政面で限界があるとも語り、感染していない人が不安なく経済活動を行うには、検査体制の強化が急務だと訴えた。

「Go To トラベル」の張り紙=11月、東京都内「Go To トラベル」の張り紙=11月、東京都内

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