コロナ克服へ過去最大=一般会計106兆6097億円、国債34%増―来年度予算案

政治・外交

政府は21日午前の閣議で、2021年度予算案を決定した。新型コロナウイルスの克服に向けた対策費が膨らみ、一般会計総額は20年度当初予算に比べ3.8%増の106兆6097億円となった。当初予算段階では9年連続で過去最大を更新。社会保障費や防衛費も増加し、歳出拡大と税収減で歳入の4割を借金に依存する構図となった。

記者会見した麻生太郎財務相は「感染防止、経済再生、財政健全化のバランスを取ることが最も難しい予算編成だった」と説明。その上で、「中長期課題を見据え着実に対応を進めていくための予算だ」と述べた。

年明けの通常国会に提出する。15日に閣議決定した20年度第3次補正予算案と一体の「15カ月予算」と位置付け、切れ目なく景気を下支えする。

21年度予算案は当初予算ベースで、一般会計総額が3年連続で100兆円を突破。歳入面では税収が9.5%減の57兆4480億円にとどまる。新規国債の発行額は33.9%増の43兆5970億円に達し、14年度以来7年ぶりに40兆円を超えた。

新規国債のうち、赤字国債は46.4%増の37兆2560億円。歳入に占める借金の割合を示す国債依存度は40.9%(20年度当初31.7%)に上る。21年度末の国債発行残高は990兆3066億円に積み上がる見込みで、1000兆円の大台が目前に迫る。

歳出面では国会の議決がなくても政府の判断でコロナ対策に使用できる予備費を5兆円計上。予期せぬ感染拡大などに備え、柔軟に支出する狙いがある。保健所の体制整備や医療機器の国内生産能力増強といった感染拡大防止の費用も確保した。

コロナ収束後の経済成長につなげるため、菅義偉首相が重視する官民のデジタル化や脱炭素社会の実現に向けた予算も盛り込んだ。野心的な二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む企業に対し、今後3年間で1兆円規模の低利融資を行う制度を創設。政府の情報システム関係予算は2986億円を一括計上した。

最大の歳出項目である社会保障費は0.3%増の35兆8421億円。高齢化に伴う社会保障費の自然増加額は、本来見込まれる4800億円から3500億円に抑制した。薬の公定価格である「薬価」の引き下げで、1001億円の国費を削減したことなどが貢献した。

防衛費は、デジタル庁などへの振り替え分を除くと前年度比微増の5兆3235億円と過去最大。宇宙やサイバーなどの新領域に対応するための経費が膨らんだ。国債の利払いや償還に充てる国債費は、債務残高の増加に伴い1.7%増の23兆7588億円に達する。

繰り上げ閣議に臨む菅義偉首相(中央)ら=21日午前、首相官邸繰り上げ閣議に臨む菅義偉首相(中央)ら=21日午前、首相官邸

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