炭素税、排出枠導入検討=菅首相指示、負担増懸念

政治・外交

菅義偉首相は21日、梶山弘志経済産業相と小泉進次郎環境相と会談し、企業や家庭に二酸化炭素(CO2)排出量に応じて費用の負担を求める「カーボンプライシング(CP)」の導入検討を指示した。炭素税や排出枠取引を念頭に置いて具体策を模索する。ただ、企業や消費者の負担が増すことへの懸念もあり、実現に向け課題は多い。

梶山氏は同日の閣議後記者会見で、「(首相から)経産相と環境相が一緒に検討してほしい」との指示を受けたと明らかにした。その上で「検討をする組織、進め方も含めて両省でしっかり対応をしていく」と述べた。

CPは、CO2排出量が多い企業や個人ほど負担が重くなる仕組みで、排出抑制効果が期待されている。具体的には、化石燃料の消費量に応じて課税する炭素税や、企業に排出が許される量を排出枠として配分し、余った枠を売買できるようにする制度がある。フィンランドなど欧州各国や米国の一部州で導入されている。

日本でも化石燃料に課税する地球温暖化対策税などが導入されている。ただ、欧州諸国と比べ税率が低く、小泉氏がCP導入の必要性を訴えてきた。

一方、CP導入は燃料や電気代の値上がりにつながる恐れがある。フランスでは炭素税引き上げが一因となり、市民による政府への大規模な抗議活動「黄色いベスト運動」が起きた。産業界ではコスト増への警戒感が強く、大手電力10社で構成する電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は「(企業の負担増で)産業界の成長が止まる方向ならよくない」と不安視する。

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