菅首相、地銀再編強制せず=「環境はつくった」―自主性尊重に方針転換・内情講演

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菅義偉首相は24日の内外情勢調査会の講演で、地方銀行の再編について「政府が強制的にやることではないと思う。ただ環境はつくったということだ」と述べた。首相は9月の自民党総裁選に立候補した際、「(地銀の)数が多過ぎる」と発言し、再編を強く促した経緯がある。経営強化を後押しする政策が整い、地銀の自主性を尊重する姿勢に転じた格好だ。

菅首相は講演で、「地方が元気でなければ、日本全体の活力がないというのが私の基本的な考え方。人口減少の中で地方銀行の経営が非常に厳しくなってきている」と指摘。「経営改革をしっかり行って、まず基盤をしっかりしていく。地域を支える銀行になってほしい」と注文を付けた。

さらに11月施行の独占禁止法特例法で、同一都道府県内において貸し出しシェアが高まっても銀行の経営統合が認められるようになったことを説明。「二つが一つになって経営基盤が強化されるのであれば、それはそれでいいのではないか」と語った。

発言を修正したことについて、西日本の地銀関係者は「事業戦略が重要なのに、数(の問題)が独り歩きしていた。ようやく共通認識に立てた」と受け止めた。一方、別の関係者は「(再編が必要だという)全体認識は以前のままだろう」とみている。

9月以降、静岡銀行と山梨中央銀行の包括提携など地銀界で生存競争が活発化した。ただ、「単純に再編が進めば解決する問題ではない」(東北地方の地銀トップ)と慎重論も根強い。

金融庁は、合併や経営統合に踏み切る地銀に対する補助制度を創設する方針だ。日銀も、経営統合や経費削減で収益基盤を強化する地銀に金利を優遇する制度の導入を決めた。

内外情勢調査会全国懇談会で講演する菅義偉首相=24日午前、東京・高輪内外情勢調査会全国懇談会で講演する菅義偉首相=24日午前、東京・高輪

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