元看護助手が国賠提訴=患者死亡で再審無罪―大津地裁

社会

滋賀県東近江市(旧湖東町)の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者に対する殺人罪で服役し、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(40)が25日、違法な捜査で経済的、精神的損害を被ったとして、国と滋賀県に約4300万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。

訴状では、県警の取り調べ担当刑事が西山さんを不当に誘導し、虚偽の自白に追い込んだと指摘。他殺を否定する医師の所見を記した捜査報告書を捜査段階で大津地検に送付しなかったことも違法と訴えた。また、地検は県警の違法捜査を放置し、不適切な起訴をしたなどと主張している。

西山さんは公判では否認に転じたが、07年に懲役12年が確定し、17年8月まで服役した。19年に再審開始が決まり、大津地裁が今年3月に再審無罪を言い渡し、確定した。

地裁は10月、西山さんに約6000万円の刑事補償支給を決定。訴訟では西山さんの損害を約1億円とし、刑事補償分を差し引いて請求した。

西山さんは提訴後に記者会見し、「他の冤罪(えんざい)事件で苦しむ被害者の力になりたい。裁判でいろいろなことを明らかにしていきたい」と語った。

滋賀県警監察官室の話 訴状の内容を確認した上で適切に対応する。

山上真由美・大津地検次席検事の話 訴状の内容を承知していないが、当庁として対応すべき事項があれば適切に対応したい。

提訴後に記者会見する西山美香さん=25日午前、大津市提訴後に記者会見する西山美香さん=25日午前、大津市

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