ワクチン接種、戸惑う現場=副作用懸念、「受けたくない」の声―東京五輪

スポーツ

新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京五輪。世界的な感染拡大に歯止めがかからず、来夏の開催が懸念される中、日本では来春にもワクチン接種が始まる見通しだ。しかし副作用の懸念が横たわり、代表選手への接種に競技団体は戸惑いを見せている。

分からないことだらけ、という率直な反応が多い。日本フェンシング協会の宮脇信介専務理事は「情報が足りない。どういう副作用が起こるのか知りたい」と情報不足を指摘。全日本柔道連盟の関係者も「ちょっと様子を見たいというのが(どの団体も)一緒ではないか」。「ワクチンくらい打つでしょう」と肯定的に話す関係者は少数派だ。

不安を感じる選手が沈黙を守る中で声を上げたのが、五輪代表に決まった陸上の新谷仁美(積水化学)。「個人的な意見だが正直、受けたくない」と言い切った。接種が始まった米国では、激しいアレルギー反応が出た例が報告されている。ワクチンに含まれる物質がドーピング違反ではないか、関係機関による綿密な分析も必要となる。

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は11月に来日した際、接種は個々の自由裁量に任せる考えを示した。日本オリンピック委員会(JOC)は冬季五輪などで選手団にインフルエンザワクチン接種を義務付けているが、新型コロナについては安全性が未知数だ。東京五輪の日本選手団総監督を務める尾県貢選手強化本部長は「早期に開発してもらったのは良いこと」としながら、副作用が予測できないと指摘。「義務として課すことはできない。(選手団として)推奨するかは米国などの例を見ながらになるのではないか」と慎重な姿勢を示す。

東京五輪・パラリンピックに向けた新型コロナウイルス対策の連絡会議に出席した関係者。(奥右から)山下泰裕・日本オリンピック委員会(JOC)会長、橋本聖子五輪担当相ら=9月11日、東京都内東京五輪・パラリンピックに向けた新型コロナウイルス対策の連絡会議に出席した関係者。(奥右から)山下泰裕・日本オリンピック委員会(JOC)会長、橋本聖子五輪担当相ら=9月11日、東京都内

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース スポーツ 柔道 陸上 日本