成人式、する?しない?=縮小、オンラインから中止まで―悩む自治体、割れる対応

社会

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、年明けの成人式をどうするか、全国の市区町村は難しい判断を迫られた。人生の晴れ舞台を迎える若者たちを何とか祝福しようと、規模の縮小やオンラインの活用により開催を決めた自治体もあれば、やむを得ず中止の決断をした自治体も。どんな形にせよ、新成人を励ましたいという思いは今も昔も変わらない。

◇苦渋の決断

11月以降、コロナ感染者が再び急増した北海道。中でも感染者数が突出する札幌市は、当初の開催案を撤回、中止を決めた。成人式取りやめは、記録が残る1955年以降初めて。市は「やむを得ない」と理解を求めるが、新成人の市女性職員は「振り袖の準備をしていたので正直ショック」。

道内で同様に中止を決めた函館市は「東京や札幌など感染が急拡大している地域から帰省する人が、感染を広げる可能性もある。苦渋の決断だった」と語る。

一方、病院などでクラスター(感染者集団)が発生した北海道旭川市は来年5月4日に延期する。中止にすれば、振り袖のレンタル会社や美容院など、キャンセルにより幅広い業種が打撃を受けると判断したためで、「5月には寒さが落ち着き、感染リスクも一定程度下がるのでは」と期待する。

国の観光支援策「Go To トラベル」が全国に先行して停止された広島市も12月中旬、式典の延期を急きょ発表。愛媛県内では、松山市を含め3市町が中止、残りの17市町は全て延期する。

◇一生の思い出に

成人式を特別な節目と捉え、開催に踏み切る自治体もある。「一生に一度のこと。成人の日に思い出をつくれるようにしたい」。大阪市の松井一郎市長はこう語り、現時点では、規模を縮小した上で式典開催を目指す考えを表明した。

岡山市の大森雅夫市長も「コロナの中でも人生の思い出に残る式典にしたい」と意気込む。式典は屋外の陸上競技場で開催。座席は2席ずつ空け、ビデオメッセージなど「見て楽しめるイベント」を企画する。担当者は「成人式は旧友と再会し、過去を振り返り一歩踏み出す場だ」と強調する。

オンライン上でお祝いメッセージなどを流す動きも。富山県射水市はさらに、現実空間にコンピューター映像を重ね合わせる「拡張現実」(AR)を活用し、帰省を自粛した新成人が会場にいる仲間とあたかも並んでいるかのような写真を撮影するアプリを導入する。夏野元志市長は「離れていても、友情を確認し合える」と語る。

◇困難乗り越えて

成人式は1946年、埼玉県蕨町(現蕨市)の青年団が、戦後で落ち込んだ社会の中で、未来を担う新成人を励まそうと開いたのがきっかけ。48年には国も「成人の日」を制定した。

蕨市は2部制で開催する予定。新成人に対し「これからどんな困難なことがあったとしても、くじけずに乗り越えてほしい」とエールを送る。

2020年1月13日に行われた埼玉県蕨市の「成年式」の様子(同市提供)2020年1月13日に行われた埼玉県蕨市の「成年式」の様子(同市提供)

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