皇位安定継承、動き鈍く=有識者会議、衆院選後か―政府

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政府は2021年から、安定的な皇位継承策の議論をスタートさせる。まずは有識者会議を設置して本格議論に入りたい考えだ。ただ、衆院議員の任期満了が同年10月に迫る中、衆院選で国民を二分するテーマになり得るため、選挙後への先送り論もある。焦点となる女性・女系天皇の是非について、男系維持を重視する菅義偉首相が慎重なこともあり、政府の動きは鈍い。

皇位継承策について、首相は20年12月、内閣記者会の質問に書面で回答し、「男系継承が古来例外なく維持されてきた重みなどを踏まえながら慎重かつ丁寧に検討する必要がある」と従来の立場を繰り返した。女性皇族の結婚による皇族数減少への対応についても「国民のコンセンサスを得るためには十分な分析と検討、慎重な手続きが必要だ」と指摘した。

政府は代替わりによる一連の儀式を終えたことから、有識者会議の人選や発足時期の調整を進めている。加藤勝信官房長官は24日の記者会見で、皇位継承の議論に関し「静かな環境の中で、検討が行われるよう配慮していく必要がある」と説明した。ただ、有識者会議の設置時期について首相周辺は「決まってない。衆院選後になるのではないか」との見通しを示した。

政府が議論を急がない背景には、皇位継承資格を有する秋篠宮さまの長男悠仁さまがまだ14歳で、官邸内に「数年で結論を出す必要はない」との見方があるためだ。また、政府高官は「衆院選の論戦で、政党によっていろいろな意見が出るのはふさわしくない」として、衆院選前の本格議論は避けるべきだと主張する。

菅内閣の支持率が新型コロナウイルス対応などで急落したことも影を落とす。政府関係者は「安定した政権でないと皇室の問題は動かせない。今の菅政権では触ることはできないのではないか」とみる。

国会は17年に天皇退位特例法が成立した際の付帯決議で、女性宮家の創設を含む安定継承策を速やかに検討し、報告するよう政府に求めた。当時の天皇退位に向けた議論を主導した大島理森衆院議長はインタビューで「菅内閣でこの問題を解決するのがいいのではないか」と述べ、速やかな対応を促した。

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