歳末買い出し、マスクでにぎわい=「普通に歩ける」人出は減少―店悲鳴「全然ダメ」
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新型コロナウイルスの感染拡大が続く中迎えた歳末。各地の商店街は30日、正月の食材などを買い込むマスク姿の客でにぎわった。ただ、客足は例年に遠く及ばず、店主らは頭を抱える。
毎年多くの買い物客でごった返す東京・上野のアメ横商店街。雨が上がった午後は人にぶつからずに歩くのが難しいほどの混雑ぶりだったが、それでも客足は例年の半分以下という。
マスクを何度も直しながら、威勢のいい掛け声を上げていた海産物店の店主は「去年は『牛歩』しかできず、向かいの店が見えないほどだった。今年は花見時期から年末売り出しまで、年を通して全然ダメだ」とあきらめ顔。乾物を扱う丸安商店の千葉勝さん(53)はマスクの上にフェースガードも着けて接客。「やれることはやっているが先が見えない」と話した。
家族で訪れた足立区の会社員乙黒高さん(42)は「予想よりすいていた。正月は家で過ごすので、少しよいカニやマグロを買う予定」と話す。店先には消毒液も置かれ、「安心して買い物できた」との声も聞かれたが、混雑を不安がり、何も買わずに帰る女性もいた。
大阪・ミナミの黒門市場商店街も肉や魚を品定めする家族連れが多く訪れた。ただ、それでもお節料理を買いに来た近所の80代女性は「普通に歩けるなんて、こんな黒門は初めて」と驚く。
老舗鮮魚店の店主藤野利夫さん(83)は「世界中の商売人が苦労しているから文句は言えない」としつつも、「売り上げは20分の1。本当に苦しい」と表情をゆがめる。和菓子店「芳月堂」を夫婦で切り盛りする中本美智子さんは「集まる機会がないからか、鏡餅や飾り物の注文がほとんどない」と落胆。「大みそかはいつも夜中まで働いていたが、今年は初めてゆっくり紅白を見ることになりそう」と苦笑いを浮かべた。
買い物客でごった返す上野・アメ横商店街=30日午後、東京都台東区
年末を迎え、買い物客でにぎわう上野・アメ横商店街=30日午後、東京都台東区
年末を迎え、買い物客でにぎわう黒門市場=30日午後、大阪市中央区
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