コロナ禍「障害者に仕事を」=バリスタ奮闘、コーヒーで支援―CFで資金募る・愛知

社会 暮らし

クラウドファンディング(CF)で資金を募り、障害者が梱包(こんぽう)作業に携わるコーヒーの商品化に挑戦しているバリスタがいる。愛知県岡崎市の柴田恭兵さん(27)は新型コロナウイルス感染拡大で働く場が減少している障害者に「僕のコーヒーで少しでも仕事を生み出せたら」と3月の販売開始を目指す。

自らも聴覚に障害がある柴田さんは大学を卒業した翌年の2016年にイタリアに短期留学し、バリスタの資格を取得した。帰国後、名古屋市のカフェなどで働いていたが、「障害者も仕事を選べることを発信したい」と独立。18年10月、イベント会場などでコーヒーを販売する事業を始めた。「福祉×珈琲」がコンセプトで、講師として障害者バリスタを育成する講座も開催している。

障害者が働く就労継続支援事業所の仕事が減少していることを知ったのは昨年9月だ。カフェ運営や自動車部品製造などを行う同事業所「あすなろ」(同県岡崎市)の中沢恵代表(45)から、緊急事態宣言が出された4~5月に休業を余儀なくされ、その後、客足が戻っていないと打ち明けられた。

「一緒にできることはないか」。柴田さんはコーヒーの袋詰めや、コーヒーを入れた後に残るかすを使ったキャンドル制作などを「あすなろ」に委託し、商品を販売する方法を思い付く。問題は焙煎(ばいせん)機の購入費や作業場所の整備費をどう賄うかだったが、9月末にCFで支援を呼び掛けると、わずか1カ月で目標額を超える約215万円が集まった。

安定して事業所に仕事を委託するには、取引先の開拓が課題だ。販売開始に向けコーヒーの試作に没頭する柴田さんは「一杯が社会貢献につながるコーヒー。店舗やオフィスでぜひ飲んでほしい」と願っている。

コーヒー豆を焙煎(ばいせん)する柴田恭兵さん。聴覚障害で「パチパチ」と豆がはじける音が聞こえないため、香りや見た目、温度などで煎り具合を調整するという=2020年12月15日、愛知県岡崎市コーヒー豆を焙煎(ばいせん)する柴田恭兵さん。聴覚障害で「パチパチ」と豆がはじける音が聞こえないため、香りや見た目、温度などで煎り具合を調整するという=2020年12月15日、愛知県岡崎市

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 福祉 暮らし 社会 労働・雇用 イタリア 日本