コロナ「復興に影響」76%=工事遅れ観光も打撃―東日本大震災10年

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東日本大震災で被災した42市町村の首長アンケートでは、76%に当たる32人が新型コロナウイルスの感染拡大が復旧・復興に影響を及ぼしていると回答した。人の移動が制限されることで工事が遅れたり、観光産業が打撃を受けたりし、復興途上にある被災地に追い打ちをかけている実態が浮かび上がった。

アンケートでは、コロナの影響について「ない」としたのは6人(14%)、「どちらとも言えない」が4人(10%)だった。

「ある」と答えた32人のうち、岩手県宮古市の山本正徳市長は「震災、台風災害により打撃を受けた経済が立て直したところに、さらに打撃を与えている」と強調。同県陸前高田市の戸羽太市長は、コロナの影響として「人の移動の制限や資材流通のストップによる工事の遅れ」を挙げた。

観光地も切実だ。宮城県松島町の桜井公一町長は「観光客が震災以前の水準に戻らない中、新型コロナでさらに減少した」と苦境を伝えた。

懸念は工事や経済の停滞にとどまらない。同県岩沼市の菊地啓夫市長は「住民同士の交流会などのコミュニティー活動が行えない状況が続いている。これまで築き上げてきたつながりが希薄になる恐れがある」と危機感を募らせる。

福島県南相馬市の門馬和夫市長は「市民との意見交換の場を設けるのが難しくなっており、合意形成に遅れが生じている」と指摘。「貴重な人材が新型コロナ対策に取られている」とも訴えた。同県双葉町のように、復興事業に従事する作業員がコロナに感染したケースもあった。

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