平山郁夫らの偽版画出回る=大阪の画商販売か、警視庁捜査

社会

日本を代表する画家、平山郁夫や東山魁夷らの絵画を基にした版画の贋作(がんさく)が出回っていることが8日、業界団体「日本現代版画商協同組合」(日版商)への取材で分かった。大阪府の画商が日版商の調査に贋作の販売を認めたといい、警視庁は著作権法違反容疑で関係先を捜索し、複数枚の版画を押収した。

日版商関係者によると、別の画商らが昨年春、同じ作品が不自然に多く流通していることに気付き、調査を開始。真正品と比べ、画家本人のサインなどが異なることが分かった。

日版商が流通経路を調べたところ、いずれも大阪府の画商男性(52)が販売していたことが判明し、男性は聞き取りに対し贋作の販売を認めたという。制作していたのは奈良県の工房で、日版商は昨年12月、男性を除名処分にした。

これまでに平山郁夫(1930~2009年)の「流沙朝陽」や東山魁夷(1908~99年)の「草青む」、片岡球子(1905~2008年)の「桜咲く富士」など10作品の贋作が確認された。

これらの作品は、大手百貨店などで販売されており、そごう・西武は8日、10作品について、2009~20年に計71点を計約5500万円で販売したと発表。うち59点については顧客を特定したといい、鑑定で贋作と認められた場合は販売価格での引き取りを提案する。

日版商の青木康彦理事長は「ここまで大がかりな贋作の流通はこれまでなかった。健全な市場づくりを目指して努力してきたので、じくじたる思いだ」と話した。

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