「3.11と重なった」=「おっかなかった」と涙―住民ら、不安な一夜・福島沖地震

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13日夜に福島県と宮城県で最大震度6強を観測した地震。突然の激しい揺れに、住民らは10年前のあの日を思い浮かべ、不安な一夜を過ごした。

震度6強を観測した福島県相馬市では、新型コロナウイルス対策のため、換気や手指消毒などを徹底した避難所で100人以上が一夜を明かした。家族5人で避難した同市の堀内正幸さん(37)は「停電になり、暗くて寒くて不安だった。家がどうなっているかも心配だ」と語った。

地震は「揺れがダイレクトにきた」といい、棚などが倒れ、家の中は物が散乱。「3.11と重なった。思い出すとやっぱり怖い」と話し、「いつどうなるか分からない自然の怖さを痛感した。またさらに大きな地震が来るのではないか」と不安を口にした。

一方、移動手段がなく避難できなかった同市の内藤妙子さん(88)は「おっかなくて眠れなかった」と話した。散乱した屋根の瓦や食器などを一晩中片付け続けたと言うが「困ったということしか出てこない状況。どうしようもない」と話し、目に涙を浮かべた。

10年前の東日本大震災で、死者・行方不明者が4000人近くに上り、被災自治体で最大の人的被害が出た宮城県石巻市では震度6弱を観測したが、今回は大きな被害はなかった。

ラーメン店「春潮楼」の店主佐久間生子さん(66)は「震災では自宅2階まで津波が来た。今回はすぐに津波がこないと分かったので安心できた」と話した。「震災後はすぐに逃げられるよう持ち出し用のバッグを準備しているが、あっという間に1時間が過ぎていた。地震があると時間の感覚がなくなる。心の中で震災の記憶が風化していることに気付かされた」と気を引き締めた。

同市の日本料理店「八幡家」の代表阿部紀代子さん(59)は「震災を思い出すような揺れだった。事務所にはその時に撮った写真が散らばり、震災を忘れるなと言われているようだった」と話した。14日昼には、結婚を予定しているカップルの両家の顔合わせで8人の予約が入っていたが、全員無事だった。「祝い事なので、店も無事で予定通りお客さんを迎えられることがうれしい」と準備にいそしんだ。

震度6強の地震で物が散乱した内藤妙子さんの自宅=14日午前、福島県相馬市震度6強の地震で物が散乱した内藤妙子さんの自宅=14日午前、福島県相馬市

震度6強の地震が発生した福島県相馬市に設置された避難所=14日午前、同市のスポーツアリーナそうま震度6強の地震が発生した福島県相馬市に設置された避難所=14日午前、同市のスポーツアリーナそうま

日本料理店「八幡家」の事務所で、棚から落ちた書類と一緒に散らばっていた東日本大震災後に撮った写真=14日午前、宮城県石巻市日本料理店「八幡家」の事務所で、棚から落ちた書類と一緒に散らばっていた東日本大震災後に撮った写真=14日午前、宮城県石巻市

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