カーボンプライシング検討=政府、温室ガス削減で―日本製品締め出し警戒

政治・外交

政府は2050年を期限とする「脱炭素」目標達成に向け、温室効果ガスの排出量に応じて企業に負担を課す「カーボンプライシング(CP、炭素への価格付け)」の検討を加速させる。背景にあるのは、地球温暖化対策を求める国際世論が高まる中、取り組みが遅れれば日本製品が海外市場から締め出されかねないことへの警戒感。一方、過度な負担を強いれば日本企業の国際競争力を奪いかねず、慎重な制度設計が求められる。

経済産業省は17日、CPに関する有識者研究会の初会合を開く。環境省も今月初めに中央環境審議会の小委員会でCPの議論を再開しており、両省は互いの会議に職員を派遣して連携したい考え。両省の検討では、温室効果ガス排出量に応じて企業に課税する「炭素税」や、排出量が多い企業が少ない企業から排出枠を買い取る「排出量取引」などが軸となりそうだ。

政府目標の達成だけでなく、検討を急がなければいけない事情もある。欧州連合(EU)は23年までに、温室効果ガスに対する価格上乗せが十分でない地域からの輸入品に課税する「炭素国境調整措置」を導入する方向。米バイデン政権も同様の制度を検討する考えを示している。日本の対策が不十分とみなされれば、欧米への輸出で不利な立場に立たされかねない。

ただ、CPの具体策をめぐっては両省の立場の違いも浮かび上がる。経産省が産業界への悪影響をできるだけ抑えたいのに対し、環境省は温室効果ガス削減効果を高めるために厳しい制度も辞さない立場。中でも炭素税については、小泉進次郎環境相が「とにかく間口を広げて議論する」と前向きな半面、経産省は「かなり高い税負担を課さなければ企業の行動に影響を与えられず、経済への影響を考えれば現実的ではない」(幹部)と慎重な姿勢だ。

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