親族の代理出金を容認=認知症患者の預金―全銀協、「本人利益」前提に

経済・ビジネス

全国銀行協会は18日、認知機能が低下した高齢者らに代わって、親族などが預金を引き出すことを条件付きで認めるとの見解を発表した。預金引き出しには原則として本人の意思確認が必要だが、医療費の支払いなど預金者本人の利益になることが明らかな場合は、柔軟に引き出しに応じるよう全国の銀行に促す。

2025年には認知症患者が700万人前後、30年には認知症患者が保有する預金など金融資産額は215兆円に達すると推計される。こうした資産の取り扱いは金融界にとっても喫緊の課題となっており、全銀協の三毛兼承会長は記者会見で「認知症という人生100年時代に直面する社会課題への対応として、一つの形を示せたのではないか」と意義を強調した。

認知症患者の預金の引き出しをめぐっては、本人の意思確認が不十分な状態で応じると「無効」として銀行が訴えられる恐れがある。このため全銀協が公表した見解でも、判断能力が不十分な人の財産管理などを親族や法律・福祉の専門家が代行できる「成年後見制度」を利用することが基本だとの認識を示した。

ただ同制度は、費用が掛かることや、第三者に家族の財産管理を委ねることへの抵抗感などから、利用が進んでいない。このため、診断書や担当医の見解、本人との面談を通じて認知判断能力が失われていると判断され、かつ預金が医療費や介護施設入居費、生活費など本人のために使用されると確認できれば、引き出しに応じるよう促す。

預金だけでなく投資信託についても、より慎重な対応が求められるものの、解約は可能との認識を示した。

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