コロナ対応、政権を翻弄=反転狙うも「接待」足かせ―菅首相就任半年

政治・外交

菅義偉首相は16日で就任から半年を迎える。携帯電話料金の引き下げなど看板政策でスタートダッシュを図ったが、新型コロナウイルス対応に翻弄(ほんろう)されて失速。総務省接待問題も足かせとなり、反転攻勢のきっかけをつかめずにいる。

◇支持率を意識

「国民の命と暮らしを守ることを最優先に取り組んできた」。加藤勝信官房長官は12日の記者会見で、政権発足からの歩みをこう振り返った。

首相は就任直後から携帯値下げに取り組み、大手3社による格安プラン発表の流れをつくった。デジタル庁設置を柱とするデジタル改革関連法案は今国会で審議入り。来年4月の不妊治療の保険適用に向けた検討も進め、それまでの間は現行の助成措置を大幅に拡充した。

ただ、新型コロナの感染状況は、昨年末から急速に悪化。首都圏4都県を対象に1月に再発令した緊急事態宣言は、今月21日まで2回の延長に追い込まれ、専門家からは「再々延長」の声も漏れる。

この間、首相は「コロナ対応に明け暮れる日々」(自民党関係者)を余儀なくされたが、自身肝煎りの観光支援策「Go To トラベル」停止の判断が遅れるなど、一連の対応には「後手」批判が噴出。国民に大人数での会食自粛を求める中、自民党の二階俊博幹事長らとの「ステーキ会食」で謝罪する事態も招いた。時事通信の世論調査では、就任後の昨年10月に51.2%だった内閣支持率は、今年1月に34.2%まで急落した。

最近は感染状況の落ち着きを反映し、支持率は下げ止まりつつあるが、いまだ低迷脱却とは言い難い。関係者によると、首相は週ごとの内閣支持率の推移を「常に気にしている」という。

◇チーム神奈川

局面打開に向け、首相は東京・赤坂の衆院議員宿舎で、現職閣僚らと定期会合を重ねる。小此木八郎国家公安委員長、河野太郎規制改革担当相、小泉進次郎環境相ら、首相が特に信頼を寄せる神奈川県選出の国会議員が中心で、「チーム神奈川」と呼ばれる顔触れだ。

首相は、ワクチン担当に河野氏、気候変動担当に小泉氏を指名。発信力のある両氏を政策の推進役に据え、反転攻勢を図る狙いが透ける。

しかし、新型コロナの感染状況は楽観を許さず、首都圏の新規感染者数は「リバウンド」の兆候すら示す。ワクチン接種も医療従事者などで始まったばかり。一般への対象拡大はいまだに見通せない。

総務省接待問題は、首相の長男正剛氏が絡む放送関連会社「東北新社」だけでなく、NTTも新たに発覚。自民党の国会議員にも飛び火するなど、底なしの様相を見せる。

4月には衆院北海道2区、参院長野選挙区の両補欠選挙、参院広島選挙区再選挙が控える。首相にとって初の国政選挙で、結果は今後の求心力に直結。新型コロナ感染拡大が続く中、今夏の東京五輪・パラリンピック開催の可否も、政権の命運を大きく左右する。

10月には衆院議員の任期満了が迫る。衆院解散・総選挙について、政府・与党内では今秋との見方が大勢だが、一部には五輪前の臆測もくすぶる。首相は限られた選択肢から、慎重に判断する構えだ。

首都圏4都県を対象に緊急事態宣言の再発令を決め、記者会見で説明する菅義偉首相=1月7日、首相官邸首都圏4都県を対象に緊急事態宣言の再発令を決め、記者会見で説明する菅義偉首相=1月7日、首相官邸

衆院予算委員会前、菅義偉首相(手前)と話す河野太郎規制改革担当相=2月4日、国会内衆院予算委員会前、菅義偉首相(手前)と話す河野太郎規制改革担当相=2月4日、国会内

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 政府・内閣 日本 北海道 甲信越 長野県 中国 広島県