都財政さらに痛手=チケット返金、税収減―東京五輪・海外客断念

政治・外交

東京五輪・パラリンピックで海外からの観客が見込めなくなり、開催都市の東京都は財政面でさらに痛手を負うことになった。新型コロナウイルスへの対応で、都財政は逼迫(ひっぱく)。さらにインバウンド需要激減の長期化による税収減や、チケット返金の損失が加わり、財政悪化に拍車が掛かるのは必至の情勢だ。

両大会の開催費用は総額1兆6440億円。都はこのうち、1年延期による追加費用1200億円を含む7170億円を負担する。見込まれているチケット収入は900億円だが、うち海外分の100億円程度は返金が必要。この返金分を国と都、大会組織委員会の3者がどう負担するかは決まっていない。今後、国内観客数も制限すれば、さらに負担は増す。

海外客の宿泊や飲食などの消費がなくなる影響も大きい。関西大学の宮本勝浩名誉教授は、観客を国内に限り、入場者も半分に制限した場合の経済的損失は1兆6258億円と試算する。

2021年度の都税収入は前年度比4000億円減の5兆円余り。22年度以降も低迷することが予想されるが、都は地方交付税を受けない「不交付団体」のため、税収が減っても国からの補填(ほてん)はない。

都幹部は「五輪のインバウンド需要に対する期待は大きかった。都債の発行余力はまだあるが、税収低迷が続けば再び財政難に陥りかねない」と危惧する。

東京都庁と東京五輪のバナー=2月19日、東京都新宿区東京都庁と東京五輪のバナー=2月19日、東京都新宿区

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