キャンセル分も捨てません=医療従事者に独自転用も―高齢者接種で自治体模索

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新型コロナウイルス対策のカギを握るとされるワクチン接種が高齢者向けで始まってから、19日で1週間となった。当初、キャンセルにより余った分を廃棄するケースが起きたが、河野太郎規制改革担当相の呼び掛けを受け見直した。一方、医療従事者向け接種が続く中で高齢者向けが始まったことには疑問の声があり、独自に医療従事者に転用する動きも出るなど、自治体の模索は続く。

「他市、他県の方でも一向に構わない。全く制約はないので、現場対応でしっかり打ってほしい」。河野氏は13日の記者会見で、キャンセル分は接種券の有無、年齢、住所を問わず、誰に打っても構わないと強調した。

前日の12日、高齢者向け接種を始めた東京都八王子市では、キャンセル2人分を廃棄処分としていた。今後は医療従事者に回すこととしたが、担当者は「5月以降、接種が本格化すればキャンセルのリスクも高まる」と不安げに語る。

高齢者施設で接種を始めた京都市でも「準備していない人に打っていいのか」とのちゅうちょから、12、13両日で計3人分の廃棄が発生。市は「今後、接種する施設や医療機関が増えるため、互いにワクチンを融通できるよう医師会などと協議したい」としている。

ただ、河野氏の発言には戸惑いも。某市担当者は「『接種券がなくても若い人でも構わない』と言われても、それで接種した人をきちんと管理できるのか」と首をかしげる。

ワクチンをめぐっては、国が最優先する医療従事者向け接種が大きく遅れ、高齢者分を医療従事者に回す動きが相次ぐ。その一つ、茨城県日立市は、高齢者用約1000人分のうち、約300人分について、高齢者施設で接種業務を担当する医師や看護師らに転用する。担当者は「医師や看護師らが感染すれば高齢者への接種を円滑に進められない」と説明する。

全国知事会の先週の会合でも、国の接種計画に対し「医療従事者への接種が完了した後に高齢者への接種へ移行するのが本来の望ましい姿だ」との批判が噴出。飯泉嘉門会長(徳島県知事)は会議後、記者団に「このままでは第一線で当たる市区町村に不安が広がる」と懸念を示した。

高齢者施設で新型コロナのワクチン接種を受ける入所者=12日、京都市(代表撮影)高齢者施設で新型コロナのワクチン接種を受ける入所者=12日、京都市(代表撮影)

高齢者施設で新型コロナのワクチン接種を受けた入所者ら=12日、京都市(代表撮影)高齢者施設で新型コロナのワクチン接種を受けた入所者ら=12日、京都市(代表撮影)

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