小さい体、生かして銅=小川、真骨頂の体落とし―柔道女子〔パラリンピック〕

スポーツ 東京2020

身長151センチの小川和紗(オー・エル・エム)は、柔道女子70キロ級にあってひときわ小さい。3位決定戦で対戦したオリガ・ザブロドスカヤ(ロシア・パラリンピック委員会)は頭一つ分大きく、世界選手権優勝経験もある強敵だった。

体格差には慣れている。「リーチや身長の問題はどうにもできない。どうすれば立ち向かえるか」と考え続け、低い体勢の担ぎ技を磨いてきた。残り1分となる前に、技ありを奪った体落としは小川の真骨頂。リードを守り切り、パラリンピックの柔道日本女子で通算2個目のメダルをつかんだ。

先天性の目の病を抱える。中学時代に始めた柔道は、視力の低下を理由に離れた時期もあったが、18歳から視覚障害者柔道に取り組み、24歳で初の大舞台に立った。

2012年ロンドン五輪女子57キロ級金メダリストの松本薫さんに、乱取りの相手をしてもらったことがある。「4分間に13回も投げられた。私のように実力差がある相手にも手を抜かない」と取り組む姿勢で影響を受けた。コロナ禍では電柱にゴムチューブを付けて打ち込みをするなど工夫を重ね、力を伸ばした。

メダルを決めた瞬間に喜びを表さなかったのは「相手がいての試合。畳の上ではガッツポーズしない」と決めているから。試合前はぬいぐるみに話しかけるのがルーティン。天真らんまんな明るさを持つニューヒロインは、柔道家としての芯も太い。(了)

柔道女子70キロ級3位決定戦、相手選手を攻める小川和紗(上)=29日、日本武道館柔道女子70キロ級3位決定戦、相手選手を攻める小川和紗(上)=29日、日本武道館

柔道女子70キロ級の銅メダルを胸に笑顔を見せる小川和紗(中央)=29日、日本武道館柔道女子70キロ級の銅メダルを胸に笑顔を見せる小川和紗(中央)=29日、日本武道館

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