「ショック」「明るくなる」=菅首相の退陣表明で霞が関

政治・外交

菅義偉首相の退陣表明を受け、中央省庁の幹部らは「本当にびっくり」「これほど急に政局が動くのは見たことがない」と一様に驚いた。同時に、官房長官から9年近く政権中枢にいた菅氏について「長かった」と弊害を指摘する幹部もいた。

菅氏は官房長官時代の2019年、電気や農業の利水ダムを水害対策に使う方針を決定。省庁の縦割りを破る施策で、国土交通省幹部は「災害対応に並々ならぬ強い意識を持っていた。馬力があった」。

50年に温室効果ガスの排出を実質ゼロとする目標を打ち出すなど地球温暖化対策にも意欲的で、環境省幹部は「ショックだ」と肩を落とす。パラリンピック開催中の退陣表明となったが、文部科学省幹部は「(大会を)やり遂げる強い意志があった。感謝している」と話した。

来年度予算編成作業を本格化させる財務省。幹部は「ぼろぼろになる前に辞任を表明して良かった。体面は保たれたが、政治的な影響力はもうなくなるだろう」。菅氏は成長戦略の具体化策の取りまとめを指示したが、この幹部は「新しいことは次の首相がやるのでは」と話した。

政府は14年、省庁幹部人事を一元管理する「内閣人事局」を設置。官邸が人事を掌握し、官僚の過度な忖度(そんたく)を生んでいると批判された。ある省幹部は「長かった。同じ人がずっと人事をやっていると好き嫌いが出てくる。霞が関も明るくなるのでは」と語った。

人事で中央官庁ににらみを利かせてきた菅氏だが、退陣の引き金となったのは自民党役員人事。別の省幹部は「人事で局面を打開してきたのに、人事でだめだった。皮肉な結末だ」。

霞が関の官庁街(時事通信社ヘリより)=東京都千代田区、2019年11月13日霞が関の官庁街(時事通信社ヘリより)=東京都千代田区、2019年11月13日

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