木村敬一、追い続けた輝き=悲願の金「この日のために」―競泳〔パラリンピック〕

スポーツ 東京2020

競泳男子のエース、木村敬一(東京ガス)が追い続けた最高の輝きを4度目のパラリンピックで手に入れた。男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で自身初の金メダル。表彰式で君が代が流れると涙が止まらなくなった。「この日のために頑張ってきた。この日が来ないんじゃないかと思ったこともある」。悲願達成の喜びに震えた。

優勝候補として臨んだ決勝。スタートからトップを譲らなかった。折り返してからもスピードは衰えず、追いすがる富田宇宙(日体大大学院)らを引き離す。しかし、木村には見えず、無我夢中だった。ゴール後は体力の消耗感から「駄目だったのかな」と一瞬不安がよぎった。寺西真人コーチからタイムと勝利を伝えられるとようやく表情を緩め、富田らと健闘をたたえ合った。

2歳で視力を失った。10歳でパラ競泳の世界に入り、2008年北京大会に初出場してから前回大会までに計6個のメダルを獲得。しかし、金メダルだけが足りなかった。「メダルの数よりも金」。一時はライバル選手のつてで米国に拠点を移すなど、手段を選ばない強い気持ちで頂点を目指してきた。

金メダルは木村にとって進むべき道しるべだった。メダルの感触を確かめ、「一緒に戦ってくれた人の思いがある。誰のメダルよりも重いのかな」。首に掛かる確かな重みが、何よりも勝利の証しとなる。(了)

競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得し、歓喜の木村敬一=3日、東京アクアティクスセンター競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得し、歓喜の木村敬一=3日、東京アクアティクスセンター

競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)の表彰式で金メダルを手にする木村敬一=3日、東京アクアティクスセンター競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)の表彰式で金メダルを手にする木村敬一=3日、東京アクアティクスセンター

競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一を抱きしめるタッパーの寺西真人コーチ(右)=3日、東京アクアティクスセンター競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一を抱きしめるタッパーの寺西真人コーチ(右)=3日、東京アクアティクスセンター

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