小さな体で覆した常識=上地結衣、頂点まであと一歩―車いすテニス〔パラリンピック〕

スポーツ 東京2020

小さな体でも臆せず立ち向かう。車いすテニス女子シングルスの上地結衣(三井住友銀行)が、オランダ勢以外で初めてとなる決勝に進出。最後は屈したものの、歴史的な銀メダルを獲得。「やり切ったかな」と実感を込めた。

相手は今年の全豪、全仏、ウィンブルドンを制し、世界ランキング1位のディーデ・デフロート(オランダ)。厳しい戦いを強いられる上地にとって頼みの綱は、バックハンドのトップスピンだ。強打で押してくる相手に対抗するために磨き上げた技術は、苦しいラリーを立て直す起点になり、たびたびウィナーを決めた。

かつては、スライスの技術をきわめることが、女子の車いすテニス界の常識だった。その頃から、バックでも順回転をかけられないかと考え、先駆的に取り組み始めたのが上地だった。「体が小さい分、いろいろなスキルが必要」。根底にあったのは反骨心だ。

自分の信念を貫くために、前回のリオデジャネイロ大会後に体づくりから見直した。先天性の潜在性二分脊椎症によるまひの影響の大きさが左右の脚で違うことに目を向け、膝立ちで重りを持ちながらバランスを保つトレーニングなどで地道に鍛錬。左右に振られる局面でも、体勢を崩さずにバックハンドを繰り出せるようになった。

試合はストレートで敗れ、念願の頂点にあと一歩届かなかった悔しさは当然あるが、「自分が思っているようなプレーはできた」。上地の健闘をたたえる大きな拍手が会場に響いた。(了)

車いすテニス女子シングルスの表彰式で銀メダルを手にする上地結衣=4日、有明テニスの森公園車いすテニス女子シングルスの表彰式で銀メダルを手にする上地結衣=4日、有明テニスの森公園

車いすテニス女子シングルス決勝でプレーする上地結衣=3日、有明テニスの森公園車いすテニス女子シングルス決勝でプレーする上地結衣=3日、有明テニスの森公園

車いすテニス女子シングルス決勝でオランダのデフロート(右)に敗れた上地結衣=3日、有明テニスの森公園車いすテニス女子シングルス決勝でオランダのデフロート(右)に敗れた上地結衣=3日、有明テニスの森公園

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