道下、悲願の金へ挑戦=飽くなき向上心で恩返しを―マラソン〔パラリンピック〕

スポーツ 東京2020

5年前のリオデジャネイロ・パラリンピック。陸上女子マラソン(視覚障害T12)で銀メダルを獲得した道下美里(三井住友海上)が表彰台で流したのは、悔し涙だった。東京パラ最終日の5日のレースで悲願の金メダルに挑む44歳は「あの時より強くなったと実感できる走りをする」と決意を示している。

角膜の難病で中学2年の時に右目の視力を失い、25歳で左目の視力もわずかに。ダイエットがきっかけで始めたマラソンだったが、多くの伴走者に支えられ、世界トップクラスの実力をつけた。

新型コロナウイルスの影響で東京大会が1年延期になっても、「この環境で何ができるかを考えた」。筋力強化に栄養面の改善、人けのない山道を早朝から走るなど、鍛錬を欠かさなかった。歩幅が大きくなってスピードが上がり、昨年12月の防府読売マラソンでは、自身の世界記録を更新する2時間54分13秒をマークした。

「レースの後、よくできたと思ったことがない」と言うほどの飽くなき向上心が、身長144センチの小柄な体を突き動かす。原動力は、拠点とする福岡で一緒に練習する幅広い年齢層の伴走者。悩みがあっても、「相談したら答えを持っている仲間がたくさんいる」。東京パラは恩返しの舞台でもある。

本番のコースは、終盤に上り坂が待ち構える。「後半どういう走りができるかが、勝負のカギを握る」。思い描くのは、国立競技場を先頭でゴールする姿だ。(了)

陸上のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会で力走する道下美里(左)=7月10日、北海道・網走市営陸上競技場陸上のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会で力走する道下美里(左)=7月10日、北海道・網走市営陸上競技場

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