カヌーの瀬立、遠かった表彰台=世界のライバルも進化〔パラリンピック〕

スポーツ 東京2020

涙をこらえ、努めて明るく振る舞った。「夢のような一日だった」。カヌー・スプリント女子カヤックシングル(運動機能障害KL1)の瀬立モニカは7位。会場の海の森水上競技場がある東京都江東区出身で、同区のカヌー協会に所属。目指してきた「地元」での表彰台は遠かった。

カヌー初実施の前回リオデジャネイロ・パラリンピックは、決勝でトップに10秒以上離されて8位。あれから5年で筋力も持ちタイムも格段に向上させ、頂点も視野に入れて東京大会に乗り込んだ。しかし2日前の予選は苦戦し、準決勝、決勝に向けて不安がよぎった。「自分がどの程度の実力なのか。戦いに入っていくのが怖かった」

8人による決勝は向かい風が吹く中、57秒998で200メートルをこぎ切った。リオなら金メダルのタイム。しかし、世界のライバルもまた進化しており、優勝者は53秒台。瀬立は「ショックは大きいけど、これが自分の実力」と受け止めた。

高校1年時の体育の授業中のけがが原因で、腹筋から下の感覚がなくなった。当時の主治医の献身的な対応に感銘を受けたことなどをきっかけに、自分も医師になる目標を持った。競技生活は今大会限りとする考えだったが「メダルを取らないとやめられない」。まだ23歳。ここでパドルを置くのに、割り切れない思いが生じた。(了)

カヌー女子スプリント・カヤックシングル(運動機能障害KL1)準決勝で力漕する瀬立モニカ=4日、海の森水上競技場カヌー女子スプリント・カヤックシングル(運動機能障害KL1)準決勝で力漕する瀬立モニカ=4日、海の森水上競技場

カヌー女子スプリント・カヤックシングル(運動機能障害KL1)準決勝でゴールし、ガッツポーズする瀬立モニカ=4日、海の森水上競技場カヌー女子スプリント・カヤックシングル(運動機能障害KL1)準決勝でゴールし、ガッツポーズする瀬立モニカ=4日、海の森水上競技場

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