国、都に5億6000万円賠償請求=起訴取り消しの社長ら提訴―東京地裁

社会

生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥機を不正に輸出したとして外為法違反罪などで起訴され、その後起訴が取り消された化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らが8日、違法な捜査で損害を受けたとして、国と東京都を相手取り、計約5億6000万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

提訴したのは、同社の大川原正明社長(72)、島田順司元取締役(68)と、体調悪化で勾留の執行が停止され、その後死亡した元顧問の遺族。

訴状などによると、大川原社長らは昨年3月、経済産業相に許可申請が必要な「スプレードライヤー」と呼ばれる噴霧乾燥機を無許可で中国などに輸出したとして警視庁公安部に逮捕された。3人は一貫して無罪を主張。東京地検は起訴したものの、今年7月、「立証が困難」と起訴を取り消した。

大川原社長と島田元取締役の勾留は約11カ月間継続。元顧問は勾留中に胃がんを患っていることが判明し、昨年11月に勾留の執行が停止されたが、今年2月に死亡した。元顧問の保釈請求には地検が反対し、東京地裁も却下していた。

提訴後に記者会見した大川原社長は「勾留期間が長く、元顧問は適切な治療も受けられなかった」と強調。代理人弁護士は「公安部は捜査に不都合な事実を検察官に提供しなかった」と非難した。

警視庁の長谷川博省訟務課長の話 コメントはできない。

東京地検の森本宏次席検事の話 コメントを控える。

提訴後に記者会見する「大川原化工機」の大川原正明社長(左)と島田順司元取締役=8日午後、東京都千代田区提訴後に記者会見する「大川原化工機」の大川原正明社長(左)と島田順司元取締役=8日午後、東京都千代田区

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