核物質防護「リスク認識弱く」=東電、規制委に報告書―柏崎刈羽原発のテロ対策不備

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東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)のテロ対策に不備が相次いだ問題で、東電は22日、「核物質防護に関するリスクの認識が弱く、現場の実態把握も不十分だった」などとする報告書を原子力規制委員会に提出した。

同原発では2018年1月以降、検知装置の故障で外部からの不正侵入を把握できない状態が複数回、起きた。昨年9月には所員が同僚のIDカードを使って中央制御室に不正入室する問題も発生。規制委は今年3月、「核物質防護上、重大な事態になり得る状況にあった」として、4段階の重要度で最も深刻なレベルと評価していた。

報告書によると、福島第1原発事故後の経営悪化を受け、柏崎刈羽では侵入検知装置などの設備費を削減。他施設に比べ故障の回数が多く、復旧に時間を要していたが、担当者は代替措置が十分かどうか確認せず、監視があれば速やかな復旧も不要と考えていた。

IDカードの不正利用では「社員なので(テロの)脅威になり得ないという思い込みがあった」と指摘した。

根本的な原因として、核物質防護のリスクに対する認識不足があったとした。小早川智明社長については「定期報告に問題を認識できるような情報がなかった」としたが、「現場の把握や、実態に即した対応を指示できた」と一定の責任を認めた。

その上で、経営陣の関与強化や教育研修の充実、第三者評価の活用などを再発防止策に盛り込んだ。侵入検知装置などの保全計画も整備した。

東京電力柏崎刈羽原発のテロ対策不備問題に関する報告書を、原子力規制庁幹部に提出する同社の牧野茂徳原子力・立地本部長(左)=22日午後、東京都港区の同庁東京電力柏崎刈羽原発のテロ対策不備問題に関する報告書を、原子力規制庁幹部に提出する同社の牧野茂徳原子力・立地本部長(左)=22日午後、東京都港区の同庁

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