ゴーン被告元側近に懲役2年求刑=検察「悪質性、突出」―報酬隠し事件・東京地裁

社会

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(67)の報酬隠しに関与したとして、金融商品取引法違反罪に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(65)と法人としての日産の論告求刑公判が29日、東京地裁(下津健司裁判長)であり、検察側は「役員報酬開示制度の趣旨を根本的に否定し、悪質性が突出している」として同被告に懲役2年を求刑した。

両罰規定に基づき起訴された日産には、罰金2億円を求刑した。弁護側の最終弁論は10月27日。

検察側は論告で、検察と日本版「司法取引」に応じた元秘書室長が保管していた書面などに基づき、ゴーン被告には未払いの「裏報酬」があったと指摘。その支払い方法を検討したのが側近のケリー被告で、「ゴーン被告からの信頼と、法律知識を併せ持つケリー被告しか担えない役割だった」と主張した。

報酬隠しに加担した動機は「ゴーン被告の私欲をかなえるためだった」と指摘。ケリー被告がゴーン被告に、役員報酬の個別開示制度導入への懸念を伝えたことが事件の発端で、「火付け役として、主体的かつ積極的に関与した」と強調した。

その上で、社会的関心を集めていたゴーン被告の報酬額を偽ったのは投資家の判断を誤らせ、悪質だと批判。自身が利益を受けていないことなどを踏まえても「刑事責任は重い」とした。

日産に対しては、「ガバナンス(企業統治)の機能不全が犯行を助長し、長期化させた」と非難した。

ケリー被告側は公判を通じ、ゴーン被告との共謀はなく、在任中支払われた報酬以外に確定した報酬はなかったなどとして無罪を主張。日産は起訴内容を認めている。

起訴状によると、ケリー被告はゴーン被告と共謀し、2010~17年度のゴーン被告の報酬総額を実際より約91億円少なく見せ掛け、有価証券報告書に虚偽記載したとされる。(了)

グレッグ・ケリー被告グレッグ・ケリー被告

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