国の責任認定、二審で3件目=原発事故避難者訴訟―高松高裁

社会

東京電力福島第1原発事故で、愛媛県に避難した住民23人が国と東電に計1億3200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、高松高裁であった。神山隆一裁判長は一審松山地裁に続き国の責任を認め、国と東電に対し計約4600万円の賠償を命じた。

国が被告となった避難者訴訟の高裁判決は4件目。国の責任を認める判断は、昨年9月の仙台高裁、今年2月の東京高裁に続き3件目となる。

東電については、過失の有無を問わず賠償責任を負う原子力損害賠償法の規定があるため、国が津波の発生を予見できたかなどが主な争点だった。

神山裁判長は、2002年に政府機関の地震調査研究推進本部が巨大津波を発生させる大地震の可能性を指摘した「長期評価」について、「相応の科学的信頼性を有するものと評価できる」と判断。「国はシミュレーションを行うなどし、津波が福島第1原発に及ぼす影響の有無や程度を調査、検討すべきだった」と述べた。

その上で、国が東電に対し規制権限を行使しなかったことに関し、「許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠く」と批判した。

判決後、原告の渡部寛志さんは「国に責任があるということを認めてもらい、ありがたい。ほっとした」などと話した。一方、弁護団は賠償額が少ないとして、上告する方針を示した。

松山地裁は19年3月、国と東電に計約2700万円の賠償を命令。国と東電、原告側がいずれも控訴していた。

東京電力福島第1原発事故で国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決を受け、「勝訴」などと書かれた紙を掲げる原告ら=29日午後、高松高裁前東京電力福島第1原発事故で国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決を受け、「勝訴」などと書かれた紙を掲げる原告ら=29日午後、高松高裁前

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