「成長と分配」で与野党論戦=衆院選にらみ政策訴え―代表質問スタート

政治・外交

岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党代表質問が11日、衆院本会議で始まった。論戦は首相が経済政策の柱とする「成長と分配の好循環」が焦点となり、首相は「『成長か分配か』ではなく『成長も分配も』が基本スタンスだ」とどちらも追求する方針を表明。立憲民主党の枝野幸男代表は「出発点は適正な分配にある」と述べ、所得格差の是正に重点を置くべきだと主張した。

首相は臨時国会会期末の14日に衆院を解散。総選挙は19日公示、31日投開票の日程で行われる。衆参両院で13日まで行われる代表質問は、衆院選をにらんで各党が政策を訴える場となる。

首相は本会議で「成長と分配の好循環による新しい資本主義を目指す」と重ねて強調。枝野氏は「成長と分配の好循環は今の日本に当てはまらない」と疑問を呈したが、首相は「まず成長を目指すことは極めて重要だ」と反論した。

首相は「分配政策として、まずやるべきことがたくさんある」と述べ、賃上げに向けた税制改革や下請け対策の強化を列挙した。一方、自民党総裁選で掲げた金融所得課税の強化に関しては「選択肢の一つ」と踏み込まなかった。

新型コロナウイルス対策で、枝野氏は「根拠なき楽観論に立ち、司令塔不在で混乱した」とこれまでの政府対応を批判。首相は「ワクチン接種は世界に例を見ないスピードで進んだ」と訴える一方、「コロナ病床が十分に稼働しなかった」と不備も認めた。その上で「(感染状況が急速に悪化した)夏の反省も踏まえ、近日中に全体像の骨格を(示すよう)指示する」と約束した。

また、「最悪の事態」を想定して司令塔機能や危機管理体制を抜本的に強化し、人流の抑制を効果的に行うとも表明。ただ、欧米諸国が行ったロックダウン(都市封鎖)は「わが国にはなじまない」と、従来の政府見解を踏襲した。自民党の甘利明幹事長に答えた。

首相は担当相を新設した経済安全保障に関し、半導体生産拠点の国内立地を挙げ、「さまざまな課題にしっかりと取り組んでいく」と述べた。大学の研究力強化のため、10兆円規模のファンドを年度内に設置する考えも示した。

枝野氏は、自民党内で賛否が割れる選択的夫婦別姓導入も取り上げ、「婚姻の一方当事者に改姓を強いる差別的な制度を急いで改める必要を感じないか」と迫った。首相は「国民の間にさまざまな意見がある。引き続きしっかりと議論すべき問題だ」と述べるにとどめた。

衆院本会議で立憲民主党の枝野幸男代表の代表質問に答弁する岸田文雄首相=11日午後、国会内衆院本会議で立憲民主党の枝野幸男代表の代表質問に答弁する岸田文雄首相=11日午後、国会内

衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の枝野幸男代表=11日午後、国会内衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の枝野幸男代表=11日午後、国会内

衆院本会議で代表質問に臨む自民党の甘利明幹事長=11日午後、国会内衆院本会議で代表質問に臨む自民党の甘利明幹事長=11日午後、国会内

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 国会 日本