選挙結果、国策左右も=問われる調査継続―北海道寿都町長選

政治・外交

北海道寿都町長選は、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定の第1段階に当たる文献調査継続の可否が争点だ。政府は「住民の意向を尊重する」(経済産業省幹部)と静観するが、その選挙結果は国が進めようとしている処分地選定の行方を左右しかねない。

現在、最終処分地の選定が進んでいるのは、全国で寿都町と北海道神恵内村の2町村のみだ。処分地選定の重要性を強く訴えてきた片岡春雄町長の下で調査を受け入れた寿都町が、町長選の結果で見直しにかじを切れば、核のごみの行き場がない「トイレなきマンション」状態の解消は不透明感が増す。

最終処分地の選定では、まず2年程度かけて過去の地震記録や地質図を基に地層や岩盤の強度を分析する文献調査を実施。第2段階となる概要調査では、穴を掘るボーリングで実際に地層を調べる。第3段階の精密調査では、さらに14年程度をかけて地下施設を使った調査を進め、最終処分地を選定する。この過程では核のごみは搬入されない。

経産省や処分地選定の主体となる原子力発電環境整備機構(NUMO)は、カナダなど選定で先行する外国を参考に、「多数の自治体に調査に参加してもらい、最適な処分地を選定したい」(同)考え。寿都町での調査を通じ、住民対話や交付金を活用するまちづくりが進めば、他の地方自治体にも受け入れられる機運が醸成されるのではないかと期待している。

国内では2007年に高知県東洋町が文献調査に応募したが、同年の町長選で推進派が敗れ撤回。その後は寿都町、神恵内村を除くと、調査を受け入れた自治体はない。

処分地選定はエネルギー政策上の重要な課題であることから、「国全体での議論が必要で、寿都町の判断が政策を左右するとの捉え方は不適切だ」(電力業界関係者)との声もある。とはいえ、選挙戦の展開やその結果次第では他の自治体が調査受け入れに一段と及び腰になる可能性も否定できない。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 選挙 日本 北海道