有権者惑わすネットデマ=中傷氾濫、業者工作も―専門家「情報取捨選択を」【21衆院選】

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インターネット選挙解禁から8年。選挙のたびに飛び交う真偽不明の怪文書は、ネットの世界にも波及した。ツイッターなど交流サイト(SNS)が選挙戦に不可欠なツールとなる中、特定の候補者を狙ったようなデマや中傷が氾濫し、有権者を惑わせている。

「対立候補のイメージを悪くするため、架空の人物を装ってブログを書いていた」。昨年10月、2019年参院選の大型買収事件をめぐる河井案里元参院議員の公判で、あるネット業者の供述調書が読み上げられた。この業者は案里元議員の夫、克行元法相の指示で、「自民党広島県連は案里氏をいじめ、落選させようとしている」と投稿。17年衆院選でも、元法相への批判的な書き込みが検索で表示されにくくするなどの工作をしたと明かした。

ある野党の参院議員が「虚偽のツイートで名誉を傷つけられた」として、アカウントの運営者とみられる会社などを相手取り提訴したケースもある。候補者を落選させる目的で虚偽内容を公表するなどの行為は公選法で禁じられているが、ネット上には投票行動に影響を与えかねない真偽不明の書き込みがあふれる。SNS運営会社は2020年の米大統領選以来、監視を強めており、「Yahoo!ニュース」も政治関連の記事にコメントを投稿するユーザーに対し、法令違反に注意を呼び掛ける文面を表示する対策を取った。

選挙コンサルタント会社「ジャッグジャパン」(東京)の大浜崎卓真代表は「選挙前に怪文書が出回るように、選挙目的の風評操作はネットにも広がりつつある」と危惧する。今回の衆院選でも、ある陣営が「未成年を選挙カーに乗せていた」「事務所に宗教関係者が出入りしている」などと虚偽の情報を拡散されたといい、「選挙工作なのか、一般人の勘違いなのか見分けがつかない」と語る。

大浜崎氏は「ウェブ上の情報は真実とうその二つだけではなく、(虚実入り交じった)グラデーションになっている」と指摘。「有権者は、発信者がどういう目的で投稿しているかを想像し、情報の取捨選択をすることが重要だ」と話している。

衆院選の期間中、政治関連のニュースにコメントを投稿しようとすると表示される注意文(Yahoo!ニュースより)衆院選の期間中、政治関連のニュースにコメントを投稿しようとすると表示される注意文(Yahoo!ニュースより)

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